◆No.11 一乗谷と『酔象の流儀』のテーマ曲

文字数 1,192文字

越前の名門朝倉家の英傑・朝倉宗滴が没したあと後事を託され、朝倉家を守ることを固く誓った「宗滴五将」の筆頭「仁の将」山崎吉家。朝倉将棋最強の駒に譬えられた男は、なぜそこまで主家に尽くしたのか──。朝倉家家臣団の離反、謀略、裏切りのなかで孤軍奮闘する忠臣の姿を描いた『酔象の流儀 朝倉盛衰記』の裏話を、著者・赤神諒氏が語ります!

私は取材で、歴史の舞台をしばしば訪れます。

戦国時代を描く場合、その間に260年もの江戸時代、さらには近現代を挟んでいるために、当時の面影がほとんど残っていないことの方が、ずっと多いです。

小説なので、面白く描けるイメージやヒントが得られればラッキーというくらいに、私は考えていますが、例えば桶狭間などは、何もかもが徹底的に変わっていて、地形などは何となくわかっても、残念ながら当時の面影は皆無に近いです。

その点、一乗谷は、信長によって燃やされた後、農地にされただけで、現代まで長らく大きな手が加えられなかったために、江戸時代もすっとばして、戦国時代にタイムスリップできる気がします。

もちろん錯覚ではあるのですが、戦国武将たちが歩いた場所を、時間を超えて楽しめる奇跡のような空間です。

大河ドラマで山崎吉家を好演された名優の榎木孝明さんは、一乗谷に古き良き時代の日本を再現し、人を住まわせて生活を営み、時代劇を撮影できるロケ地に変えて観光地にするなど<大時代村構想>という、とても素敵な提案をされています。

もしも一乗谷が未訪でいらしたら、一生に一度は行かないと損です。

私は夏と冬に行ったのですが、写真集も出版されているように、どの季節に行っても見応えがありそうです。

最後になりましたが、『酔象』のテーマ曲は、服部克久さんの『自由の大地』です。

これも名曲ですので、いろいろなバリエーションが出ていますね。

ところで、葉加瀬太郎さんが『悠久の一乗谷』を作曲されています。

葉加瀬さんは私の大好きな名曲が多く、他の作品でテーマ曲にさせて頂いているのですが、 実は出版するまで、迂闊にもこの曲を知りませんでした。

まだ一乗谷については書き足りないので、その時に使わせていただきます!


これらの曲を聴きながら、一乗谷を巡られては?

※夏の一乗谷

赤神 (あかがみ・りょう)

1972年京都府生まれ。同志社大学文学部卒業。私立大学教授、法学博士、弁護士。2017年、「義と愛と」(『大友二階崩れ』に改題)で第9回日経小説大賞を受賞し作家デビュー。同作品は「新人離れしたデビュー作」として大いに話題となった。他の著書に『大友の聖将『大友落月記』神遊の城』『戦神』『妙麟』『計策師 甲駿相三国同盟異聞』 村上水軍の神姫』北前船用心棒 赤穂ノ湊 犬侍見参』『立花三将伝』などがある。

★こちらもオススメ!

名もなき将たちに捧ぐ~立花三将伝~』↓

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色