編集長ジミーがオススメ、5月の光文社文庫!

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 ジャック・ヒギンズを知らない? 死んで欲しいと思う。――内藤陳さんの『読まずに死ねるか!?』はこの名文句から始まりました。私も内藤さんご紹介の本は片っ端から読んだのですが、まさに一番最初に紹介されたヒギンズさんが先頃亡くなりました。代表作といえば『鷲は舞い降りた』『死にゆく者への祈り』『脱出航路』あたりが衆目の一致するところでしょうか。どれも何度でも読める傑作。未読の方はぜひご一読ください、とジミーも平伏。


 さて、光文社文庫5月のラインナップ。まずは柄刀一さんの本格ミステリの傑作『或るエジプト十字架の謎』から挙げましょう。本格ミステリ大賞の最終候補にもなったこの作品。タイトルから見れば一目瞭然、エラリイ・クイーンに捧ぐ「柄刀一版」国名シリーズとなる連作短編集です。クイーンファンならば、どの作品もニヤリの趣向が満載。単行本では長編『或るギリシア棺の謎』も刊行中。さらには『或るアメリカ銃の謎』も近日刊行予定です!

 続いてはこちらも本格ミステリの力作、早坂吝さんの『殺人犯 対 殺人鬼』を。新世代の本格ミステリ作家として独自の世界を描き続ける早坂さんですが、本書も「嵐の孤島」という本格ミステリならではの舞台ながら一筋縄ではいきません。殺人を目論んでいたある少年の先を越されるように起きた殺人。そこから連続する猟奇的な殺人の中で究極の頭脳戦が展開されます。一度読んだらぜひ再読してもらいたい一冊です。
 最後に真山仁さんの『当確師 十二歳の革命』を挙げましょう。4月に本文庫から刊行されました『当確師』の続編、待望の初文庫化です。当選確率99%の選挙コンサルタント、聖達磨が今回挑むのは現職総理大臣! 地元選挙区の少年が総理に問いかけた環境問題に対する質問。被選挙権のない少年が対抗馬に!? さまざまな思惑の中で、聖に勝算はあるのか? ドラマ化もされた「選挙エンタテインメント」の最新作、まずは第一作からどうぞ。
 さて、嬉しいニュースは「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選3」の開催決定ですね。昨年9月に亡くなったベルモンドさんを追悼する7作品が上映されるとのことです。偶然にもこのニュースを知る前日に『ラ・スクムーン』のサントラを聴いていたので運命的なものも感じてしまいました(笑)。今回は私も大好きなこの名作もラインナップされています。「傑作選」1、2も全作品観ましたが、またすべて観に行きたいと思います!

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