(3)田中芳樹【加藤清正】

文字数 621文字

現代を代表する作家・漫画家・学者・舞台で活躍する芸人やタレントの方たちに、好きな戦国武将のアンケート調査を実施いたしました。

激動の令和において、人気のある武将は果たしてだれなのか?!

田中芳樹(たなか・よしき)さん


──1952年熊本県生まれ。78年に『緑の草原に……』で第3回幻影城新人賞を受賞しデビュー。『銀河英雄伝説』『アルスラーン戦記』のほか、『新・水滸後伝』などの中国時代小説も多数。2020年、『創竜伝』ついに完結!

【わたしの好きな戦国武将】


加藤清正

熊本出身の私が加藤清正を推すのは、あまりにもベタすぎて笑われそうだが、まあ幼少のころから刷りこまれているので、ご容赦ありたい。


石田三成がヒーローあつかいされるようになってから清正は反比例してきびしく評価されるようになったが、三成一派が豊臣政権の乗っとりを図っていた点については、歴然たる証拠がある(「文禄の役」の日本側講和条件)。清正や福島正則らが反発したのは当然のことだ。また清正は「戦さに生きる男」などといわれるが、関ヶ原以降、兵を動かしたことは一度もない。彼の本領は槍働きよりむしろ治世の領国経営にあった。領国肥後は表高五十四万石といわれたが、彼の統治開始時の実高は三十五万石にすぎなかった。それが、治水、植林、干拓、二毛作等によって、十年後には七十三万石以上になっている。熊本城の築城については、私が語るまでもなかろう。

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色