(94)篠原悠希【尼子経久】

文字数 650文字

現代を代表する作家・漫画家・学者・舞台で活躍する芸人やタレントの方たちに、好きな戦国武将のアンケート調査を実施いたしました。

激動の令和において、人気のある武将は果たしてだれなのか?!

篠原悠希(しのはら・ゆうき)さん


──1966年島根県生まれ。現在ニュージーランド在住。2013年「天涯の果て 波濤の彼方をゆく翼」で第4回野性時代フロンティア文学賞を受賞(その後、『天涯の楽土』に改題の上、書籍化)。主な著作に「金椛国春秋」シリーズなど。近著は『マッサゲタイの戦女王』。

【わたしの好きな戦国武将】


尼子経久

最初に尼子経久の名を知ったのは『雨月物語』「菊花の約」だ。信義を重んじて義兄の仇を討ち果たした青年の罪を問わなかった国守が経久で、第一印象はなんだかいい人。


ところが後に、その経久が実は下克上城主の魁けで、中国三大謀略の将でもあったと知る。そういえば菊花の約でも、塩冶氏を討って富田城を奪っていた。


尼子経久は、守護代から山陰一帯を支配する戦国大名にのし上がった。


謀略の将というと、冷酷非情のサイコパスなイメージを抱いてしまうが、菊花の約でも信義は尊重するし、自分は倹約家なのに部下に物を分け与えるのはめっぽう気前が良い。


十一州の太守、鬼人とも謀聖とも称された経久だが、洞光寺蔵の肖像画を見る限りは、ほっそりと貴族的な面差しのイケメンでもある。大河ドラマ『毛利元就』では緒形拳がとても魅力的な経久を演じていた。


いつか尼子経久の大河ドラマを観たい。

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