(67)安藤祐介【小田氏治】

文字数 676文字

現代を代表する作家・漫画家・学者・舞台で活躍する芸人やタレントの方たちに、好きな戦国武将のアンケート調査を実施いたしました。

激動の令和において、人気のある武将は果たしてだれなのか?!

安藤祐介(あんどう・ゆうすけ)さん


──1977年福岡県生まれ。2007年『被取締役新入社員』でTBS・講談社第1回ドラマ原作大賞を受賞しデビュー。著書に『本のエンドロール』『営業零課接待班』『不惑のスクラム』『逃げ出せなかった君へ』などがある。近著に『夢は捨てたと言わないで』。

【わたしの好きな戦国武将】


小田氏治

常陸の国の大名・小田氏治は稀代の戦下手で、居城の小田城を九回も落城させた「戦国最弱の大名」として知られる武将。最近気になる注目株です。彼の年譜を辿ると、小田城を奪われては奪い返す人生。凄まじい執念、地元愛……! 毎度、優秀な家臣が命懸けで城を奪還し、領民は氏治が帰還する度に歓んだそうで、まるで仕事はできないのに人望だけで持ち堪えている上司のようです。哀愁を感じます。ある時は軍神・上杉謙信を裏切り、真っ向から野戦を挑んで惨敗。負け戦は数知れず、しかし何度負けても死なないところがすごい!


後年は秀吉の小田原城攻めに参陣せず小田城の奪還に執着し、その咎で領地を没収され、最後は越前の国で天寿を全う。戦下手でも人望で戦国の世を生き抜いた氏治は、最弱にして最強でもあると思うのです。彼の肖像画では、傍らに猫が丸くなって寝ています。猫にも慕われる戦国最弱の大名・小田氏治。新たな戦国ヒーロー誕生の予感がします。

登場人物紹介

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