文庫版刊行に寄せて、応援コメントが届きました!

文字数 1,383文字

心に「推し」を持つすべての人に捧げる、佐藤多佳子さんの『いつの空にも星が出ていた』

大洋ホエールズからDeNAベイスターズへ、時を超えてつながるファンの熱い想いが描かれる感動の物語です。

文庫版刊行に寄せて、ベイスターズファンとして佐藤さんと親交のあるライター・コラムニストの村瀬秀信さん、漫画家のみづき水脈さんからメッセージが届きました!

村瀬秀信さん


読み終えて、懐かしい気持ちになった。この物語に出てくる人たちを僕は知っている。ハマスタの隣の席に座ったあの人だった気もするし、惨敗した駅への帰り道に肩を落としていたあの人かもしれない。勝った負けたと騒ぎ立てて、遠藤に、タカノリに、筒香に、自分勝手な夢を乗っけて。そんな愛しい人たちを知っている。


ベイスターズはこの70年で2回しか優勝したことがないチームだ。負けて負けて負けて。それでも応援する理由なんて、おそらく誰も説明できない。だが9回の佐々木が教えてくれた“絶対”という言葉の意味や、あの時代に大家が完投勝利する凄さ、牧の四十代な肚の据わり様を知っている。


今は会わなくなってしまった友人や、恋人や、名前も知らない人。そして、この本に登場する誰とも同じ記憶を共有している。現実と地続きの、たとえ違う空の下にあったとしても、きっと今も同じ星を眺めている。愛しいチームと共にある愛しい人生。それは僕であり、あなたの人生でもある。

村瀬秀信

1975年生まれ。神奈川県茅ケ崎市出身。ライター、コラムニスト。著書に『気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている』『それでも気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている』『プロ野球最期の言葉』『4522敗の記憶 ホエールズ&ベイスターズ涙の球団史』『止めたバットでツーベース』『ドラフト最下位』などがある。


みづき水脈さん


野球ファンて何なんだろうと思う事があります。
友人に「なんで野球を見るのが好きなの?」と聞いてみたところ、
「なんか、ワー‼︎ってなりたいんだよね」
という返事でした。
なるほど、それはそう。
真剣に応援すればするほど、推しチームの勝敗には思い切り感情を振り回されます。そして、人が何かを無心に応援する姿は、無防備で、面白く愛らしい。
この『いつの空にも星が出ていた』には、そんな愛すべき人物が沢山出てきます。
これが面白くないわけないのです。
球場観戦していたらどこかですれ違っていそうなほどリアルなキャラクターたち。
読み終えて、全員とハイタッチしたくなりました。
今年こそ、横浜優勝!と。

みづき水脈

野球(見る方)とスケート(滑る方)を愛する少女漫画家。

原田マハ氏との共著『ラブコメ』ほか、近著では『リケダン!』『楽しい人生の滑り方』(双葉社)などがある。

\本屋大賞受賞作家、40年の想いの結晶!/

『いつの空にも星が出ていた』(佐藤多佳子 著)

うれしい日も、つらい日も、この声援と生きていく――。


大洋ホエールズからDeNAベイスターズへ。

時を超えてつながる横浜ファンの熱い人生が胸を打つ!



さえない高校教師。未来を探して揺らぐ十代のカップル。奇妙な同居生活を送る正反対の性格の青年たち。コックの父と少年野球に燃える息子。彼らをつなぐのは、ベイスターズを愛する熱烈な思いだった! 本屋大賞受賞作家が、横浜ファンたちの様々な人生を描き、何かに夢中になる全ての人に贈る感動の小説集。

登場人物紹介

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