①櫻井 翔スペシャルインタビュー【前半部分を無料公開中】

文字数 2,950文字

広瀬すずさん・櫻井翔さんのW主演の新ドラマ「ネメシス」(日本テレビ系毎週日曜日 夜10:30〜)が4月11日より放送開始となる。


実は「ネメシス」は、製作過程が今までのドラマと異なっている。通常原作のあるドラマなら原作から脚本家が脚本を起こすし、オリジナルドラマは完全に脚本家のオリジナルだ。しかしこのドラマは、脚本作りの段階から、複数名のプロのミステリー作家と文芸レーベル「講談社タイガ」が参加するという、異例の陣容で制作されたドラマなのだ。


広瀬すずさんが演じるのは「探偵事務所ネメシス」の天才すぎる助手。その助手が支えるお人好しな探偵を櫻井翔さんが演じる。現在予告編が流れているが、櫻井さんのコミカルさ、二人の掛け合い、癖の多い出演者たちとの絡みが今から楽しみになる。そして、その新時代の探偵をいかにリアルに、そしてミステリとして研ぎ澄ませていくのか。それを実現するために「ミステリのプロ」と「映像のプロ」がタッグを組んだ取り組みなのだ。


さて、そんな新しい試みに対し、主演の櫻井翔さんはどのように感じているのか。4月11日の放送に先立ち、「小説現代」に掲載されている主演の櫻井翔さんのインタビュー記事を特別抜粋掲載する。実際「ネメシス」の脚本にも携わっている「講談社タイガ」が聞いた、櫻井さんにとって「演じること」と「創ること」とはどういう意味をもつのだろうか――。 

櫻井 翔(さくらい・しょう)


1982年1月25日生まれ。東京都出身。アイドルグループ・嵐(2020年末に活動休止)のメンバーとして活動しながら、映画『ラプラスの魔女』『神様のカルテ』やドラマ「先に生まれただけの僕」「謎解きはディナーのあとで」などで俳優として、また報道番組『news zero』のキャスターとしても活躍。ドラマ「ネメシス」では広瀬すずとともにW主演を務める。

演じることと、創ること

——「ネメシス」の映像を拝見し、櫻井さんがすごく楽しそうに演じられているのが印象的でした。今の櫻井さんにとって「演じる」ことは、どういう意味を持つものなのでしょうか。


櫻井 僕は「演じる」ということを語れるような立場ではないのですが、今回の「ネメシス」というドラマは、共演の俳優さんたちもすごい方々ばかりですし、たくさんの小説家の方々も力を貸してくださっている、いろんなセクションの一流のプロの方たちが集まった作品です。そういう大きなプロジェクトチームの一員になれている感覚があるので、役者として演じるだけではなく、一緒に作品を作っていることがすごく楽しいですね。まして、昨年は自分にとっても、世の中にとっても大きな変化があった年でしたから、このドラマに出演できることが、自分にとって非常に大きなモチベーションになりました。極端に聞こえるかもしれないけれど、生きる活力をもらったような気持ちです。


——W主演のアンナ役・広瀬すずさんについての印象はいかがでしょう?


櫻井 撮影の初日からアンナの役を仕上げていたことに、すごいな、と感じましたね。アンナは動きも激しいし、自由なキャラクターなので、勝手に動き回る犬みたいな印象です(笑)。男性はもちろん、女性から見ても可愛いと思いますよ。


——撮影現場の空気もすごく良さそうです。今回、櫻井さんが演じられる、探偵の風真はお人好しで、みんなに愛される、まさに作品の空気感を象徴するキャラクターです。この風真を演じるにあたり、どのような役作りを意識されたのでしょうか。


櫻井 いろんな遊びを入れてみたり、自分で膨らませたりすることができる役柄ですね。台本に書いてあることしかやらないのではなく、台本を読みながら、現場で演じながら、思いついたアイディア、言い回し、動きなどを自然に出せています。


——演じている間に、こんなことをやってみようと思いつかれるのですか。


櫻井 「やってみよう」と思って動くときもありますが、こういうセリフのときはこう動こう、と頭で考えて役作りをするのではなく、演じているうちに自分が勝手に動いてしまう、その場で生まれてくる、という瞬間が、連続ドラマの現場ではたまにあります。「ネメシス」の現場ではその瞬間が頻繁に起こります。なぜなのかを考えてみると、監督をはじめ、共演者の方々や、美術だったり、スタッフだったり、現場のグルーブ感がその瞬間を作っているんでしょうね。


——今回の「ネメシス」は、講談社タイガ編集部が、複数のミステリ作家とともにドラマの制作メンバーの一員として脚本製作に協力しています。これは講談社としても、おそらく出版社としても初めての形です。


櫻井 こんな作り方ができるなんて、本当にすごいですよね……。


——プロデューサーが、力のあるミステリ作家と一緒にドラマを作りたいと仰ってくれたので、僕たちも新しい物語作りの試みとして楽しませていただきました。


櫻井 すごく面白いですよ。原作がある作品は、それぞれの読者の中に、動いているキャラクターやビジュアルイメージがある。だから通常僕たちの立場だと、そこに近づける、もしくは、あえてそこから遠ざける、というのが、原作がある作品のアプローチです。でも、今回はそれが同時並行的に起こるから、読者と視聴者がそれをどう受け止めるか想像ができないんです。ある読者は、小説の「ネメシス」を先に読んで映像と照らし合わせるかもしれない。ある視聴者は映像を見て、僕のイメージの風真のまま、小説の「ネメシス」の世界に入っていくかもしれない。


——確かにインタラクティブに楽しめますね。実際、小説家の皆さんも、櫻井さんが演じられるということを聞いて、その風真を想像して小説にフィードバックしたり、プロデューサーと会議を重ねて映像がこうなるなら、小説はあえてこうなったほうが面白いのではと相談したりして、一緒に作り上げてきました。


櫻井 それがすごいと思います。読者及び視聴者が、いまだかつてない体験をすることになる。そういう意味においてすごく面白い試みだと思うんですよね。

櫻井さんが好きな探偵について語る…!?

インタビュー後半は「小説現代」2021年4月号にてお楽しみください。

※本記事は「小説現代」2021年4月号の巻頭インタビューから前半部分を転載したものです。

※インタビュー日時:2021年2月25日

★書籍情報


人気ミステリー作家が手がける小説版『ネメシス』は1・2巻が全国書店にて好評発売中!

【1巻】今村昌弘(購入はこちら!)

【2巻】藤石波矢(購入はこちら!)

【3巻】周木 律(4月15日発売予定)

【4巻】降田 天(4月15日発売予定)

【5巻】藤石波矢(5月14日発売予定)

【6巻】青崎有吾/松澤くれは(5月14日発売予定)

★ドラマ「ネメシス」

・出演:広瀬すず/櫻井翔ほか

・総監督:入江悠

・監督:片桐健滋/岸塚祐季

・脚本:片岡翔/入江悠

・脚本協力:講談社タイガ/今村昌弘/藤石波矢/周木律/降田天/青崎有吾/松澤くれは

・企画・プロデューサー :北島直明

・プロデューサー:里吉優也/次屋尚/田端綾子

・制作会社:クレデウス

・製作著作:日本テレビ

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