慶大生本読みのオススメ「ワクワクが止まらない旅行小説・冒険小説」10選

文字数 2,927文字

今、どんな作品を読んだらいいの?

そんな疑問にお答えするべく、大学生本読みたちが立ち上がった!

京都大学、慶應義塾大学、東京大学、早稲田大学の名門文芸サークルが、週替りで「今読むべき小説10選」を厳選してオススメします。

古今東西の定番から知られざる名作まで、きっと今読みたい本に出会えます。

家にいることが多くなり、旅行へ行けなくなった今だからこそ読みたい冒険

小説を紹介します。目の前に広がるのは、刺激たっぷりロマン溢れる新世界!!「物足りない」なんて言わせません!!

(執筆:慶應ペンクラブ)

慶應ペンクラブ(けいおうぺんくらぶ)/慶應義塾大学

慶應ペンクラブは、1957年に創立した歴史ある文芸サークルです。小説はもちろん、短歌や漢詩にラップまで、「言葉」を使ったあらゆる創作をしています。

そして年に数回部誌を発行し、その掲載作品の批評会を行う他、不定期にワークショップなどを開催して創作を楽しんでいます。そのような活動を通してメンバー同士、和気あいあいとそれぞれの才を切磋琢磨しています。

①『影との戦い』アーシュラ・K.ル=グウィン(著) 清水真砂子(訳)


今こそ、〈影〉と向き合う時。


アースシーのゴント島に生まれた少年ゲドは、自分が持つ並外れた才能を知り、真の魔法を学ぶ為にロークの学院へと入学する。

そして成績優秀なあまり得意になったゲドは、禁じられた魔法で〈影〉を呼び出してしまう。

〈影〉とは敵なのか、味方なのか、それとも……。

ゲドの長い旅が始まる。

②『キノの旅』時雨沢恵一
「ちゃんと起きてよね! 起きたら、旅を始めるんだよ! 起きるんだよ!」


キノとモトラド(注・二輪車。空を飛ばないものだけを指す)、一人と一台のなす短編旅行小説。

一遍一遍が独立しているので手軽に読める。壁に囲まれた国を転々と巡りながら、様々な人間と一期一会を果たしていく。

旅の意味、生きること、死ぬこと、その他もろもろetc.

小説を読むだけでいろんな国・文化・人と出会えるのはこれ。

③『ファンム・アレース』シリーズ 香月日輪
オトナにこそ読んでほしい、大切なことを見つける物語


国を追われた幼い王女・ララ。

彼女は亡き母の故郷を訪ねる旅の途中で、凄腕剣士・バビロンに出会い、護衛として彼を雇う。

孤独で小生意気なララと、気まぐれでろくでなしのバビロン。

デコボコな二人はぶつかり合いながらも、心を通わせて旅路を辿っていく……。

児童書作家の香月日輪が描く冒険の物語。

この本が教えてくれる大切なことに、子供も大人も引き込まれる。

④『ロボット・イン・ザ・ガーデン』デボラ・インストール(著) 松原葉子(訳)

わがままな可愛いロボットとの珍道中


AI技術が発達し、人類がAIと暮らすことが可能になった近未来の世界が舞台の物語。

イギリスの南部の小さな村で暮らす主人公、ベン・チェンバースの元に「アクリッド・タング」という名の小さな旧式の箱型ロボットが突然彼の家の庭に現われた。

34歳になっても職に就かず、一方弁護士として働く妻エイミーとの夫婦仲は悪化するばかりという冴えない男ベンはタングの本当の持ち主を探すため、タングと共にアメリカへ旅立つ。

旅の道中で大人になってから成長するベンの姿とそしてロボットのはずが人間の子供のような行動をする可愛いタングに注目です。

⑤『ダレン・シャン』シリーズ ダレン・シャン(著) 橋本恵(訳)

普通の少年の運命は、クモが這うように静かに動き出す


クモが好きな普通の少年、ダレン・シャン。

彼はある日、親友と見に行ったで、幼心の興味本位から、見世物のクモを盗んでしまう。

その代償に囚われた親友を助けるため、彼は半ヴァンパイアとなり、普通の生活に別れを告げることとなる……。

私たちはダレンの心理に共感するには大人になりすぎたかもしれない。

それでも、その刺激的で巧みな世界観、子供向けと侮るなかれ。

⑥『宝島』スティーヴンスン(著) 阿部知二(訳)

もう一度、旅に出よう。ロマンに胸を踊らせよう。


主人公であるジム・ホーキンズ少年は、海辺の寂れた宿屋を家族で営んでいた。

そこに海賊を自称するビリー・ボーンズがやって来る。

彼はラム酒に入り浸り、他人の迷惑を顧みず大声で海賊の歌を唄う所謂悪党であったが、唯一「片足の男」を恐れていた。

そしてビリーの持っていた箱の中にあったのは、海賊団がその財宝を大西洋のある島に埋めていたこと、そしてその島の位置を記した地図だった。

ジムと仲間達は、港でスカウトした片足の料理人シルバーと大西洋へ向け帆を張る。

⑦『ソードアート・オンライン』川原礫

「これは、ゲームであっても遊びではない。」


2022年、仮想空間に完全に入り込む技術が確立され、ゲーム「ソードアート・オンライン」が発売された。

しかしサービス開始の日、ログインしていた人々は、ある事件に巻き込まれる。

ゲームでの死が現実での死に直結し、ゲームをクリアするまでログアウトできない——。

主人公キリトは現実世界に帰るため、戦い始める。

続刊ではまた別の様々なゲームを舞台に事件が発生し、VRの世界を冒険していきます。

かなりの長編なので、読み応えあること間違いなし!

⑧『異セカイ系』名倉編

異セカイ×セカイ系⁉ 旅は小説の中で


小説投稿サイト「White Novel」に小説を投稿していた神(じん)は、作品がランキング10位になったのを機にあることに気付いた。

「死にたい」と思うだけで自分の小説の中に入れる!

物語の作者として、物語の主人公として、物語をどう終わらせるのか。

神の創った異セカイの行方は?

神によって行く末が決まるセカイ系は?

様々な思考が絡み合って紡がれた「作者への挑戦状」をお楽しみください。

⑨『スリープ』乾くるみ

眠るだけで未来旅行。


中学生ながらにしてテレビ番組の人気レポーター・羽鳥亜里沙は、つくば市の《未来科学研究所》へ。

冷凍睡眠装置の取材の休憩中に立ち入り禁止の空間へと彷徨い歩いてしまい、所長の八田誠一に眠らされてしまう。

目覚めた先はどこへやら。

せまっ苦しい現代に疲れた方へ、未来への旅を疑似体験してみてはどうでしょう。

⑩『扉守 潮ノ道の旅人』光原百合

尾道の風薫るファンタジックな連作短編集~


「潮ノ道」という尾道市をモデルにした町が舞台。

内気な女子高校生の雪乃は、ある日「ミ、ツ、ケ、タ」という声を聞く。そして違う世界から紛れ込んだ「扉守」というモノに取り憑かれてしまう。

そんな潮ノ道で起こるちょっと不思議で怪しげな7つの出来事が綴られている。

尾道は作者の故郷ということもあり、風景や町並みがかなり忠実に描かれているので思い浮かべるだけで旅行した気分を味わえる。

装丁は何やら意味がありそうだが、透明感のある素敵なデザイン。

作品全体にやわらかい潮風を感じることができる。


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