健屋花那、ナイフだった頃。「戯言シリーズ」

文字数 2,440文字

借りパクってどう思います?


遠隔地で働いてる後輩がね、健屋から本借りたまま連絡つかなくなっちゃって。その作者さんが新作出しててさ。もう新しいの買うかって悩んでます。


閑話休題。


というわけで、はい皆さんお加減はいかがでしょうか。にじさんじ所属バーチャルライバーの健屋花那です。


初めましての人は誰やこいつ?ってなってるかもしれませんが、YouTubeでゲームしたり雑談したり歌ってみた出したりしてるしがない医療従事者です。以後お見知り置きを。


このたび! なななんと! 本に関するコラムを書かせていただくことになりました。書評…っていうほど堅苦しいものでもなくて、健屋の好きな本や、人生のターニングポイントに一緒に居てくれた本を紹介したいと思います。


初めに謝っておきますが、健屋さんそんなに本読む方じゃないんですよね。すみません。高校の頃に一番仲が良かった友達が物凄い量の本を読んでいたので、正直彼女にゴーストライターでもしてもらうか…なんて邪なことも一瞬頭をよぎったのですが、良心のためにも少ない引き出しからご紹介させていただくことにしました。


ところで皆さん、本は紙派ですか?電子書籍派ですか?健屋は長らく紙派だったのですが、一年ほど前に一人暮らしを始めて、実家にほとんど本を置いてきてしまったんです。それからはもっぱら電子書籍に頼りっぱなしな気がしています。紙と違って借りパクされないしね。


そんな健屋が実家から持ってきた数少ない紙の本。その中からいくつかピックアップしてご紹介して行こうかな。抽出が偏りまくっているけど、これは統計学ではないので大目にみてください。


さっき話に出た高校の頃の親友(健屋はそう思ってるけど向こうがどう思っていたのかはわからないと言う点については目を瞑ってもろて)がおすすめしてくれて大好きだった本があります。


初っ端からライトノベルって思われるかもしれないけど、これはれっきとしたミステリーなんです! ほんとに!! 叩かないで!!!


それがねえ、西尾維新先生の「戯言シリーズ」という作品です。「クビキリサイクル」にはじまり「ネコソギラジカル(下)」で終わる、本編で9巻、サイドストーリーはもっとある大作です。西尾維新大先生のデビュー作らしいです。西尾維新先生と言えば物語シリーズや、今アニメになっている美少年探偵団など数々の大作を生み出された方ですけれども、そんな大先生の原点とも言える作品です。


オタクくんさあ、初めての人にこんなボリュームの本を勧めるんじゃないよ。いやでもおっかさん、とりあえず一巻だけでも読んで欲しいんですよ。一巻だけでも十分おもしれえんでサ。それで面白いってなったら続きがこ〜んなにあるんですよ、こんな素晴らしいことってあるかい。いやない(反語構文)。


閑話休題。


私はアニメや漫画においてキャラ推し女なのでまずひとつめに「キャラクターがいいんです!」って言いたいところなんですがまあそれは自明の理(読み:じめいのことわり)(※1)としましょうや。


この作品、「西尾維新ワールド」が全開なんですよ。日常生活の頭の中が地の文みたいになっちゃうくらいには。頭の中の自分の声が他の人間の喋り方に置き換わる感覚、すごく好きなんですよね。この作品のおかげで私の高校時代の半分くらいはいーたん(※戯言シリーズの主人公)の喋り口でモノローグが流れていたと言っても過言ではないと思います、人生にモノローグがあるのかはさておき。


一巻の内容だけざーっくりお話ししますと、「天才ばかりが集められた孤島」に幼なじみの玖渚友(天才)と共に赴き、その閉鎖された空間において起きた殺人事件を解決していく、というミステリーなんですけれども、ちょっとグロいので苦手な方は注意です。まぁあの頃の健屋はナイフ()だったので、そういう表現もより一層作品を好きにさせてくれたんですが。


ミステリーって事件解決して、後日譚があっって、っていうのがよく見るかなと思うんです。まあ健屋そんなに本読んでない人間なので世間一般と違ったらすみません。でもこの戯言シリーズ、最後の最後のほんの10ページで後日譚…後日譚!?っていう事実が判明して、また一から読み返したくなるんです。


そしてなんといっても主人公の考え方が一貫していないというか、揺れ動くのが面白かった。主人公のいーたんはどこか厭世的でぶっ壊れていて、女子高生だった私はそういう一面に少し憧れのようなものすら持っていた気がします。でもいーたん途中で言うこと変わるんだもん。あんなに全てお見通しですよみたいな顔しておいてさ。いえ、全てお見通しですよな時だってたくさんあるんですよ。なんならそっちのほうが多いまである。ただそんないーたんが揺れ動く瞬間が、多感な時期の健屋にはかなりぶっ刺さったと言う話です。


キャラ推し女、結局キャラクターの良さを語ってしもうた。あ、推しは哀川潤と零崎人識です。


大人になった今の健屋が一から十まで読んだらまた何か感じ方が変わるのかな。記憶消して読み直したらどうなのかな。気になるところです。


皆さんの中でも、読んだことない人にはぜひ読んでみてとしか言えないし、読んだことある人や好きな人は初めて読んだ時との感じ方の違いとか教えて欲しいな、と思います。


で、これ本題なんですけど。今健屋の手元にあるこの本。戯言シリーズ。くだんの親友(仮)から高校時代に借りたものなんですよね。いやいや、借りパクじゃないですよ。借りてる自覚があるのでね。……親友、すまん。ギフトカードつけて郵送します。 


(※1)編集部注……本来の読みは(じめいのり)ですが、著者の希望によりママとしました。

健屋花那(すこやかな)

にじさんじ所属バーチャルライバー。

病院で働く女の子。彼女の笑顔で健康になった人は多い。世界中の人々を元気付けようと、ライバー活動を始めた。不器用で、採血は苦手。

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