(80)小前亮【尼子経久】

文字数 577文字

現代を代表する作家・漫画家・学者・舞台で活躍する芸人やタレントの方たちに、好きな戦国武将のアンケート調査を実施いたしました。

激動の令和において、人気のある武将は果たしてだれなのか?!

小前 亮(こまえ・りょう)さん


──1976年島根県生まれ。(有)らいとすたっふに入社後、田中芳樹氏の勧めで小説の執筆にとりかかり、05年、『李世民』でデビュー。日中を舞台とした歴史小説を多数手掛ける。

【わたしの好きな戦国武将】


尼子経久

こういう企画は郷土愛を発揮するチャンスです。月山富田城下に生まれた私は、折に触れて、山中鹿介(とその息子とされる新六)について語ってきましたが、今回は趣向を変えて主家のほうを取りあげたいと思います。北条早雲とともに下剋上の典型例にあげられる尼子経久です。出雲守護代の職にありながら、幕府と守護の京極氏に公然と反抗し、いったんは守護代職を剝奪されるも、再起して出雲の支配権を握り、山陰山陽に勢力を広げました。この時代の常として、奪権の過程は伝説に彩られていますが、国人や寺社の勢力が強い出雲をまとめあげた才幹と器量は、戦国中後期の英傑たちにひけをとらないでしょう。毛利元就、宇喜多直家と並んで中国三大謀将に数えられる一方、「天性無欲正直の人」と称される二面性もまた、魅力のひとつです。

登場人物紹介

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