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文字数 875文字
★キュレーター作家の美術・芸術への広く深い造詣とノワールな文学との融合は、まさにこの作家にしかできない境地。"黒い絵" を前に、あなたは何を感じるのだろうか。
★クレヨンで真っ黒に塗った画用紙に、鉄筆で描くスクラッチアート。中からどんな色が出てくるか分からないように、女たちの奥底が見えない。爪で引っかかれたところから、ポロリと本音が出る。
★読み進む程にその毒気に当てられ、何とも言えない息苦しさを感じる。欲望と現実との狭間で、闇に落ちていくかのような登場人物たち。それでもこの作者ならではの、絵画や芸術への情熱がそこかしこに見え隠れしていて、ただの真っ黒い絵ではなく、暗闇の中で隙間から差す微かな光を感じて安堵したり……。
★塗りつぶしたような黒い感情すらも、その濃淡を堪能しながら一枚の絵画を鑑賞したような、不思議な感覚を覚えました。
★美術界を舞台にした小説が有名な人だが、実は美術を通して人間ドラマを描いてきたのだということを実感させられる一冊。原田マハならではの、しかしいつもとはちょっと表情の違う短編を集めた「黒い本」だ。
★人の暗い部分を描き出した作品。いつものアートや美術館を題材にとった作品とはちょっと趣が違う、と思っていたら、そこはやはり原田マハさんだと思うような作品もあり、でもやっぱり仄暗さを感じてしまう。こんな作風の小説も書かれるのだなと面白く読んだ。
装画:加藤 泉「Untitled」 キャンバスに油彩 56×41.5cm 2017年 個人蔵
Photo:岡野 圭
Courtesy of the artist ©2017 Izumi Kato
ついに封印を解かれたのは、著者初の「ノワール小説集」。
嗜虐と背徳によって黒く塗りこめられた、全6作品を収録する衝撃作!