永井紗耶子『きらん風月』書店員さんコメント一挙掲載!

文字数 2,076文字

永井紗耶子さんの『きらん風月』を読んで、全国の書店員さんたちがコメントを寄せてくださいました! 本のプロたちは、この痛快エンタメ時代小説をどう読んだのでしょう…⁉

★鬼卵は、風月を愛で、人生を楽しむ。規律を重んじ、倹約で政を治めようとする松平定信。二人の出会いは必然としか言い様がない。何かが変わるような予感がした。(ジュンク堂書店滋賀草津店 山中真理さん)


★人と人との繋がりは、どちらから見るかによってこんなにも景色は違って見えるということを知った。それは今の世でも同じ。私も関わってくれる人々との縁を大切にしたいとあらためて思う。(有隣堂藤沢本町トレアージュ白旗店 小出美都子さん)


★己が学ぶだけでなく、若者の世界が広がっていく様を見て楽しめるってのも素敵だし、慈しみに満たされた須美との語らいには涙があふれ、読みすすめながら、繋がっていく思いと鬼卵が辿ってきた道の数奇さに胸がいっぱいになりました。(ジュンク堂書店藤沢店 鈴木沙織さん)


★鬼卵を囲む人達も気持ちがいい。互いが求めて縁が繋がり、楽しい話も膨らんで、書の持つ力を手にした時、気持ちは自由に闊歩する。とても気持ちのいい話でした。(未来屋書店入間店 佐々木知香子さん)


★時代小説をあまり読んだことのない私でも、するすると物語が入ってきた。松平定信や上田秋成、円山応挙など、教科書に出てきた歴史上の人物が、読んでいるうちにただの文字から形を持つ人に変わっていくのが楽しくて仕方がなかった。(明屋書店喜田村店 高橋杏奈さん)


★自由に生きたい、ただそれだけの思いで身分性別など関係なく生きたいように生きている鬼卵の姿にどこか憧れのようなものを抱きつつ、定信の生き様にも理解ができて、違う考えの者同士がどうか納得というか理解をしてほしいと思いつつ読み進めました。(未来屋書店高崎店 吉野千鶴さん)


★悩み戸惑い将来を憂い自分の足場を探す。「楽しく生きたらええねん」。その言葉を信条に生きる鬼卵の生き方は、現代の憧れでもある。物事を知る。知る事によって、自分を守る術にもなると感じました。元老中・松平定信に対して飄々と渡り合う鬼卵がかっこいい‼(文真堂書店ビバモール本庄店 山本智子さん)


★カタブツ定信と飄々とした鬼卵。二人の会話はテンポよく気持ちがいい。鬼卵を取り巻く人たちも人情味があり、粋だ。全篇を通して、爽やかな読み心地だった。心に清々しい風が吹き、温かな余韻が胸を占めている。「ただ心躍る方へ」。粋な人生の楽しみ方を教えていただいた。(未来屋書店明石店 大田原牧さん)


★鬼卵の生き方に感銘を受けました。読了後は胸いっぱいになった。“己の胸の内を見失わんかったら、いつでも楽しい道は見つかる”という言葉を持って生きていきたい。(焼津谷島屋吉田店 沼野さち世さん)


★江戸の作家さんたちも、ペンならぬ筆で闘っていたのだ。我々も未来に向けて、何かしたい。役に立ちたい。だって彼らの魂はきっと不滅で、受け継がれているはずだから。(蔦屋書店熊谷店 加藤京子さん)


★鬼卵が生み出した書を、絵をこの目で見てみたいと思った。きっと鬼卵そのものだろう、素晴らしい作品に違いない。(あおい書店富士店 望月美保子さん)


★栗杖亭鬼卵と松平定信の異なる人生を歩んだ二人の邂逅はとても面白く心温まる人情物語でした。(久美堂玉川学園店 松原沙莉さん)


★自由自在に生きた文人の来し方が、涙あり笑いありの極上エンターテイメント作品に。こんな作品が読みたかった。(六本松 蔦屋書店 峯多美子さん)


★文人墨客が見た江戸中期の日本。自由とは何か? 生きるとは? 現代を生きる私たちに楽しく生きたらええねん! その言葉が胸に刺さる。(平和書店TSUTAYAアルプラザ城陽店 奥田真弓さん)


★どんどん物語の世界に引き込まれていきました。ずっと読んでいたい。そんな気持ちにさせてくれます。(宮脇書店境港店 林雅子さん)


★引退はしたものの、政に未練の残る定信と話し終えた鬼卵との対話で、人の良し悪しを煙草の煙に例えて詠った歌がなんとも粋なんです。痺れまする。多くの出会いが人生を豊かにし、支えてくれたのだ。同じ空の下、私も面白がれる生き方をしたい。(未来屋書店大日店 石坂華月さん)

永井紗耶子(ながい・さやこ)

1977年、神奈川県出身。慶應大学文学部卒業。新聞記者を経て、フリーライターとして雑誌などで活躍。2010年、『絡繰り心中』で第11回小学館文庫小説賞を受賞し、デビュー。『商う狼 江戸商人 杉本茂十郎』で‛20年に第3回細谷正充賞および第10回本屋が選ぶ時代小説大賞を、翌‛21年に第40回新田次郎文学賞を受賞する。‛22年、『女人入眼』が第167回直木賞候補に。そして‛23年『木挽町のあだ討ち』で第36回山本周五郎賞と第169回直木賞のダブル受賞を果たした。また同年、『大奥づとめ』で啓文堂書店 時代小説文庫大賞を受賞した。

装画:朝江丸

エンタメで幕府の圧政に逆らい、東西文化の懸け橋となった

自由人の生涯を描く、痛快長編時代小説!

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