◆No.3 ハードボイルド忍者小説
文字数 1,066文字
応仁の乱後、将軍義尚が幕府に背いた六角氏征伐のために湖南の鈎に陣を敷くと、甲賀忍者の三郎兵衛たちは甲賀山中でゲリラ戦を展開する。甲賀忍者の最強無敵の忍術「神遊観」をめぐって甲賀、伊賀、そして幕府が絡み合う……! 甲賀忍者と許されない恋を描いた忍者エンタメ小説『神遊の城』執筆の裏話を、著者・赤神 諒氏が語ります!
ハードボイルド、好きなんです。
『神遊の城』の三雲新蔵人はハードボイルド忍者として描きました。
私にとってハードボイルドの原型は、名画「カサブランカ」でハンフリー・ボガートが演じたリックこと、リチャード・ブレインです。
めっぽう強い忍者で、女性に優しいキャラにしました。
過去に失われた恋人がいて、引きずっているのも同じ設定です。
また、かねて盾と矛を小説で書いてみたいと思っていました。
もしも直接対決したら、いったいどっちが勝つのだろうと、読者がワクワクするような作品。
宿命のライバルの対決ですね。これをハードボイルド小説でやりたい。
今回はちゃらんぽらんな忍者と、折り目正しい武士を対決させました。
全く対照的な立場のキャラクターを、攻める側と守る側、それぞれに配置して、徹底的に対立させます。
読者に両方に肩入れして頂けるよう、それぞれにヒロインも配置しました。
すぐに宿敵が対決するとつまらないので、いろいろ邪魔が入ります。
いずれもなぜか最強の〈神遊観〉を使える武人です。それもまた謎ですね。
実はこの作品は謎だらけのミステリー仕立てにしてあります。
果たしてどちらが勝つのか……。
ネタバレ気味になりますが、対決の後、『神遊』はさらに面白い展開を見せます。
真の敵が明らかとなり、ライバルが手を結んで共闘し、大きな陰謀や意外な敵、過去の謎が明らかになってゆく……。
まさに二転三転、四転五転の〈ジェットコースター的展開〉。
どうぞお楽しみください。
※三雲城からの眺め(北)(滋賀県湖南市)
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