(44)熊谷達也【徳川家康】

文字数 597文字

現代を代表する作家・漫画家・学者・舞台で活躍する芸人やタレントの方たちに、好きな戦国武将のアンケート調査を実施いたしました。

激動の令和において、人気のある武将は果たしてだれなのか?!

熊谷達也(くまがい・たつや)さん


──1958年宮城県生まれ。『ウエンカムイの爪』で小説すばる新人賞。『漂泊の牙』で新田次郎文学賞。『邂逅の森』で直木賞、山本周五郎賞。東日本大震災後は気仙沼をモデルとした「仙河海」シリーズに取り組んだ。近著にエッセイ集『いつもの明日』。

【わたしの好きな戦国武将】


徳川家康

好きかどうかというと微妙ではある。個性的な武将が数多く輩出された戦国の世において、徳川家康にはなんとなくつまらなそうなイメージがつきまとう。ほととぎす、のたとえ話にあるように、忍耐の人であったのは確かだろう。我慢強いことは美徳のひとつではあるが、それだけでは面白くない。逆に言えば、それだけではないはずなのだ。長らく続いた戦乱の世に終止符をうち、その後の二百六十年余りにわたる平和な循環型資本主義的共和国の礎を築いた人だ。一人でできる偉業じゃない。周りには相当恵まれたはず。つまり、きっといい人だったに違いない。というわけで、あまたいる戦国武将の中で友達になりたいのは誰かと問われたら、迷わず徳川家康と答えるわけで、それって好きだというのと一緒ですよね。

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