(20)川越宗一【和田惟政】

文字数 638文字

現代を代表する作家・漫画家・学者・舞台で活躍する芸人やタレントの方たちに、好きな戦国武将のアンケート調査を実施いたしました。

激動の令和において、人気のある武将は果たしてだれなのか?!

川越宗一(かわごえ・そういち)さん


──1978年鹿児島県生まれ、大阪府出身。龍谷大学文学部史学科中退。2018年『天地に燦たり』で第25回松本清張賞を受賞しデビュー。19年『熱源』で第9回本屋が選ぶ時代小説大賞、第2回ほんま大賞、第162回直木賞を受賞。

【わたしの好きな戦国武将】


和田惟政

好きというより、強い興味がある。興福寺に幽閉されていた足利義昭を脱出させ、織田信長と浅井長政との縁談を斡旋し、義昭の越前行きにも随行し、信長の上洛時には豊臣秀吉、明智光秀などそうそうたる面子とともに信長の京都代官に任ぜられる。この人なかりせば、みんなが大好きな戦国時代はなかったのではないかと思える活躍ぶり。しかも甲賀の土豪という夢が広がりそうな出自。なのに歴史創作ではもうひとつスポットが当たらない。いわゆる信長包囲網でワチャコチャしていたころ摂津の片隅で戦死という、経歴に比してあまりにひっそりした最期も、どこか沁みる。キリシタンを保護していたためか、悪口がものすごいルイス・フロイスからは「愛の業と非凡の愛の証を備えた一人の異教徒」と独特の讃辞を送られている。


※和田惟政の経歴は『国史大辞典』、フロイスの言は『完訳フロイス日本史3』を参照した。

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