原田マハ『黒い絵』書店員さんコメント一挙掲載!

文字数 2,243文字

原田マハさんの新刊『黒い絵』を読んで、全国の書店員さんたちがコメントを寄せてくださいました!

本のプロたちは、この著者初の「ノワール」小説をどう読んだのでしょう…⁉

★なんとも言えない後ろめたさや背徳感に、胸が騒ぎ立てられっぱなし。これは私が覗いてもいいものなの…?でも見たい…!と、指の隙間から覗くように読ませていただきました。ゾワっとした感じがクセになる、中毒性の高い作品でした。(TSUTAYAサンリブ宗像店 渡部知華さん)


★今まで味わったことがない黒い黒い豊潤なワインを嗜んだようです。情熱的で悲しく美しい余韻に包まれ、その淫靡さにしびれている状態です。欲望と美術が奏でる原田マハさんの究極の世界に引き込まれて抜け出せません。(ジュンク堂書店滋賀草津店 山中真理さん)


★新境地!!生めかしい毒、女のサガ。とても良かったです。何度ものホントに原田さん?と表紙を確認してしまいました。((株)小成 新町店 橋本亜紀子さん)


★これが原田マハさんの作品なのかと、こんな作品も書けるのかと驚きました。作品の根底に不穏な雰囲気が漂い、その魅力に惹きつけられました。(くまざわ書店新鎌ヶ谷店 武藤湧大さん)


★欲望に誘われ闇に堕ちていく。 読みながら本と共に吸い込まれていくようだ。 自分が持っている幸せへと続く鍵は、闇への扉のものだったのか。 黒マハさんの魅力に繰り返し落とされる。この本は最高だ。(あおい書店富士店 鈴木裕里さん)


★今まで読んできた希望に満ちた原田マハとは真逆の短編集で「黒マハ」降臨と言ったところか。 個人的には最終章向日葵奇譚が一番のお気に入り。(有隣堂藤沢本町トレアージュ白旗店 小出美都子さん)


★じっとりと湿り気がある余韻を残す最後。ホラーなのか怪談なのか、只々、この『黒い絵』の中に没入していく感じは、まさに『オフィーリア』の様だった。読書体験を超えた美術鑑賞に近い感覚がした。(未来屋書店明石店 大田原 牧さん)


★アートではなく人間が主役。嫉妬、愛、憎しみ、感情がどんどん出てきます。ありえない場面もアートはオブラートに包んでくれます。楽しいと言えるノワール作品ではないでしょうか。(ジュンク堂書店三宮店 三瓶ひとみさん)


★ゴヤの『黒い絵』のように、どれも奇妙で恐ろしくて、目を覆ってしまうくらい不気味なのに、指の隙間から見てしまう。そんな怖いもの見たさの作品たち。薄暗くねっとりとした湿度にへとへとだけど、もう少しここで捉えられていたい。 黒い余韻に浸りたい。頭も身体もまだ本の中にいる気がするのだ。(水嶋書房くずは駅店 永嶋裕子さん)


★陰湿で官能的で打算的。 非情な仕打ちの描写の連続に、こちらの感情が大きく揺さぶられました。 覗いてはいけないものを覗いてしまった。そんな感覚に囚われた作品でした。(蔦屋書店ひたちなか店 安直美さん)


いくつもの色が混ざりあい、重なりあって生まれたその黒い絵から目が離せなかった。 じわりじわりと侵食してくる毒が五感のそれぞれに訴えかける。 あぁ…こんな原田マハさんもいたんだ。(未来屋書店宇品店 山道ゆう子さん)


★えっこれが原田マハさん?! 冒頭から不穏でエロティック。たまらなく淫靡な世界。底の見えない深い沼に堕ちていくような感覚を何度も味わいました。(三洋堂書店新開橋店 山口智子さん)


★読んでいくほど黒に飲み込まれて行く。感情全てが飲み込まれて行く。読み終わったあとの放心状態になるのがまた心地よかった。(宮脇書店ゆめモール下関店 吉井めぐみさん)


★怖いです。ひたひたとゆっくり拡がる恐ろしさ、その余韻で心の芯まで冷えました。 こんなに恐ろしくていたたまれないのに、目を逸らせないのは、人の心の闇に少なからず人は惹きつけられるということなのでしょうか。(六本松 蔦屋書店 峯多美子さん)


★エロい。 原田さんにとっての「ノワール」とは「性」なのだろうか。 ここで描かれている性的関係は一般的に歓迎されるような清々しい関係性ではなく、後暗いもの。赦されざるもの。 その関係性が判明すると読者の心に黒い感情が注がれる。それは不快感であり、不安感であり、好奇心である。(紀伊國屋書店仙台店 齊藤一弥さん)


原田マハ(はらだ・まは)

1962 年東京都生まれ。関西学院大学文学部日本文学科、早稲田大学第二文学部美術史科卒業。伊藤忠商事株式会社、森ビル森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館勤務を経て、2002年フリーのキュレーター、カルチャーライターとなる。’05年『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞し、’06年作家デビュー。’12年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞、’17年『リーチ先生』で第36回新田次郎文学賞を受賞。ほかの著作に『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『たゆたえども沈まず』など多数。’19年に世界遺産・清水寺で開催された展覧会「CONTACT つなぐ・むすぶ
日本と世界のアート展」の総合ディレクターを務めるなど、日本・世界各地のアートと美術館の支援を続けている。

装画:加藤 泉「Untitled」 キャンバスに油彩 56×41.5cm 2017年 個人蔵

Photo:岡野 圭 

Courtesy of the artist ©2017 Izumi Kato

ついに封印を解かれたのは、著者初の「ノワール小説集」。

嗜虐と背徳によって黒く塗りこめられた、全6作品を収録する衝撃作!

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色