(14)玉川太福【蒲生氏郷】

文字数 638文字

現代を代表する作家・漫画家・学者・舞台で活躍する芸人やタレントの方たちに、好きな戦国武将のアンケート調査を実施いたしました。

激動の令和において、人気のある武将は果たしてだれなのか?!

玉川太福(たまがわ・だいふく)さん


──1979年新潟県生まれ。2007年、二代目玉川福太郎に入門。浪曲師として、落語の定席にも出演。古典から新作まで幅広く取り組み、映画「男はつらいよ」シリーズの浪曲化にも挑戦。20年第37回浅草芸能大賞新人賞を受賞。

【わたしの好きな戦国武将】


蒲生氏郷

浪曲でお馴染みの一席に「松阪城の月」という演目があります。元が講談の「名月若松城」という話で、伊勢松阪城の主・蒲生氏郷と家来・西村権四郎という主従二人の絆を描いた物語です。中秋の名月、お酒の席とはいえ、傍若無人な振る舞いをする氏郷公に、家臣たちは忖度するばかり。頑固一徹な権四郎は立腹し、豪快に投げ飛ばした上、逐電します。正気に戻った氏郷公は、「得難き家来を失った」とその日以来、一切酒を断つこと三年。窶れた姿で戻った権四郎に「主従の縁は切れておらぬ」と許すのですが、それと同じ場面に立ちあったことがあります。五月一朗という大看板の先生が、修行中に自分の元を去った弟子と数十年ぶりに対面したとき、「わしは破門にした覚えはない。今も師弟のままじゃ」と受け入れたのです。蒲生氏郷公と五月一朗先生が重なって見えたことはいうまでもありません。余談ですが、二〇一六年に会津の酒造会社で「氏郷公」というお酒も造られました。

登場人物紹介

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