小説家・お笑い芸人50人に聞きました! 大アンケート㊳

文字数 1,637文字

お互いに刺激と癒しを与え続ける「小説」「お笑い」の世界。

「あの小説家にネタを作って欲しい!」「この芸人に小説を書いて欲しい!」

それぞれの世界で活躍する50名に、好きな小説・お笑いについてなど、気になるテーマで大アンケートを実施!


「この作家、あの人のファンだったの?」「この芸人の愛読書ってそうなんだ!」

あなたの推し芸人、推し作家との距離が縮まること間違いなし!

さて、気になる回答は――?


※本アンケートは、小説現代2022年12月号にて実施されました。

【小説家編】(回答順)

回答者のお名前 

1. あなたの好きなお笑い番組・チャンネルベスト3は?

2. あなたの好きなお笑い芸人ベスト3は?

3. お笑いを好きになったきっかけは?

4. どんな時にお笑いに触れますか? 選び方も教えてください。

5. 自由記述欄

※記載のない項目は未回答のものです。

回答者:結城真一郎


1. M-1グランプリ、ウッチャンナンチャンのウリナリ‼、はねるのトびら


2. さらば青春の光、ニューヨーク、滝音


3. 明確なきっかけはありませんが、強いて挙げるなら、自分も人を笑わせるのが好きだったから、でしょうか。自分は、体を張るというよりは、どちらかというと会話の流れの中で誰かの発言をもじったり、揚げ足をとったりしてボケたりツッコんだりする感じの芸風です。幼稚園の頃、先生から「この子は将来吉本に入る」と言われたのを今でも覚えています。結果的に吉本には入りませんでしたし、入っていたとしても日の目を浴びていた可能性はほぼゼロに等しいと思いますが、だからこそ、その道で活躍している人たちは純粋にカッコいいと思いますし、憧れます……とかなんとか、むりやり捻り出してみましたが、やっぱり理屈ではないですね(笑)。好きだから好き、ただそれだけです。


4. どんな時に、と言われると大変難しいですが、これもあえて言うなら「暇さえあれば」ですかね。テレビ番組だったり、Amazon prime videoだったり、Netflixだったり、YouTubeだったり。たぶん、その時間をすべて執筆に回していれば、現時点で長編をあと3冊は刊行できていたはずです。


5. 好きなお笑い芸人に明確な順位付けをするのはかなり困難だったので、今回は〝着眼点の鋭さ"や〝突飛な発想"、そして〝ワードチョイス"が好きな3組を選びました。さらば青春の光は後述しますが、ニューヨークは「シェアハウス」「社長」など、かなりの誇張はあるものの「うわー、いるよなこういうやつ!」「わかる、この状況!」と思わされるネタにいつも笑ってしまいますし、滝音は「阿吽の呼吸困難」「否否やんけ」などツッコミワードの切れ味が魅力的です。この観点でいくと、他にも真空ジェシカやウエストランドを推しています。

~小説を書いてみてほしいお笑い芸人は? どんなものを書いてほしい?~


さらば青春の光。コント「ペンション殺人事件」が大好きです。タイトルからぷんぷん臭ってくる通り、序盤はよくある〝閉ざされた山荘"モノに見えるのですが、徐々に状況が詳らかにつれ、下品でシニカルでさらば青春の光〝らしさ"全開の衝撃展開を迎えます! 特に「なんで殺したんや!」の意味が反転する瞬間の破壊力は尋常じゃありません。僕が理想とする伏線や裏切りが詰まった、紛うことなき傑作です。他にも推したいコントは枚挙に暇がありませんが、いずれも「この発想はなかった!」「なんでこんなこと思いつくんだ!」と感心してしまうものばかり。ぜひ、その縦横無尽な発想とブラックユーモアを活かした小説を書いていただきたいですし、出たら絶対に読みます。

結城真一郎

1991年神奈川県生まれ。2018年に『名もなき星の哀歌』で新潮ミステリー大賞を受賞し、翌年に同作でデビュー。2021年に「#拡散希望」で日本推理作家協会賞短編部門を受賞。他に『救国ゲーム』『#真相をお話しします』など。

「小説現代」2022年12月号、大好評発売中!

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