(60)夏原エヰジ【前田利家】

文字数 642文字

現代を代表する作家・漫画家・学者・舞台で活躍する芸人やタレントの方たちに、好きな戦国武将のアンケート調査を実施いたしました。

激動の令和において、人気のある武将は果たしてだれなのか?!

夏原エヰジ(なつばら・えいじ)さん


──1991年千葉県生まれ。2018年「Cocoon」で小説現代長編新人賞奨励賞を受賞し、翌19年『Cocoon 修羅の目覚め』でデビュー。「Cocoon」シリーズは現在第5巻まで発売中。

【わたしの好きな戦国武将】


前田利家

眼福の工芸品、口福の銘菓──我が地元・石川県の誇る伝統だ。そんな「加賀百万石」の礎を築いた前田利家公は大河ドラマで一躍脚光を浴びたものの、戦国武将としては華に欠けるとみなされがち。それは彼が、縁の下の力持ちに徹したことが原因と思われる。


長身で容姿端麗、武略にも長けていた利家だが、彼の一番の魅力は「気配りの人」であったことに尽きる。豊臣秀吉は彼を諸大名との折衝役に据え、第一の重臣として重用した。時に利家が厳しい意見を進言しても、無下に撥ねつけることはなかったという。彼の真摯な言葉に、胸を打たれたからに他ならない。


気配りの心は子孫に受け継がれた。徳川の世にて前田家は外様だったが、戦を回避する見事な立ち回りで広大な領地を守り抜いた。ゆえに美術工芸など様々な文化が加賀で育まれたのだ。さほど派手ではないが、利家は人として大切なものを持つ武将であった──人徳のあるイケメン、最&高ではないか。

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