(5)内館牧子【伊達政宗】

文字数 616文字

現代を代表する作家・漫画家・学者・舞台で活躍する芸人やタレントの方たちに、好きな戦国武将のアンケート調査を実施いたしました。

激動の令和において、人気のある武将は果たしてだれなのか?!

内館牧子(うちだて・まきこ)さん


──1948年秋田県生まれ。88年脚本家としてデビュー。91年ギャラクシー賞、93年第1回橋田壽賀子賞など受賞多数。小説家、エッセイストとしても活躍し、2018年刊行の小説『すぐ死ぬんだから』は30万部を超える大ヒットに。近著は『今度生まれたら』。

【わたしの好きな戦国武将】


伊達政宗

私は大相撲の研究のために、東北大学の大学院宗教学研究室に入った。五十代半ばのことである。


そして三年間を仙台で暮らし、非常に驚いた。初代仙台藩主伊達政宗が、今も仙台の街に、仙台人の心に生きているのである。ふとした時に「仙台の誇り」として政宗が甦る。今から四百五十余年も昔の武将を、ごく当たり前に誇る。悪くない。


政宗には数々の戦功、逸話があるが、私は次の言葉が真骨頂と思う。


「倹約の仕方は不自由を忍ぶにあり。この世に客に来たと思えば何の苦しみもない」


私たちは生きていく中で、たくさんの理不尽や忍ぶことがある。だが、「私はこの世に遊びに来てるんだ」と思えば、ほとんどは気にならない。政宗は戦国の世を、こうやって乗り越えてきたのだろう。


仙台に縁のできた私にとっても、伊達政宗は誇りである。

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