(23)赤松利市【伊達政宗】

文字数 643文字

現代を代表する作家・漫画家・学者・舞台で活躍する芸人やタレントの方たちに、好きな戦国武将のアンケート調査を実施いたしました。

激動の令和において、人気のある武将は果たしてだれなのか?!

赤松利市(あかまつ・りいち)さん


──1956年香川県生まれ。2018年に『藻屑蟹』で第1回大藪春彦新人賞を受賞しデビュー。20年『犬』で第22回大藪春彦賞を受賞。著書に『鯖』『ボダ子』『女童』など。近著に『風致の島』。

【わたしの好きな戦国武将】


伊達政宗

経営していた会社を破綻させた私は復興バブルを当て込んで震災の年の夏過ぎに宮城県石巻市に居を移した。


宮城県における伊達政宗の人気は不動のもので、特に石巻市においては北上川河口を改修し交易の拠点としたことや、同市が家臣支倉常長に率いられた慶長遣欧使節団出航の地であったこともあり、市民に親しまれる武将であった。サン・ファン・バウティスタ号を復元したサン・ファン館も設けられている。


そんな石巻市で三年半居住したのだから、真偽を確かめようもない、些か我田引水じみた逸話も多く聞かされた。その一つが、実は政宗が築城を企図したのは仙台ではなく石巻であったというものだ。偏屈な家康の裏をかこうと仙台での築城を提案し、反対されれば対案として石巻を提案しようとしたところ、案に反して賛成されてしまったという策士策に溺れる逸話だ。そんな逸話のあれこれを聞かされて、私は石巻市と政宗に親近感を抱くようになってしまった。

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