ミモレ読者のブックレビュー

文字数 1,565文字

著者自ら「ようやく封印を解いて世に出す”ノワール”小説集」と語る、原田マハさん待望の新作『黒い絵』が刊行となりました!

嗜虐と背徳によって黒く塗りこめられた衝撃作の内容とは──⁉

大人の女性向けウェブマガジンmi-mollet(ミモレ)の読者の方々から届いたブックレビューをお届けします!

★イタリアはアッシジの大聖堂や京都の寺社の境内etc. 超・描写力で、まるで自分がそこにいるかのような没入感のある作品。ドキッとする狂気が発露して、はっと現実に引き戻される。(Minaさん)


一線を超えてしまった世界を覗き見ているように感じた6編の作品。中でも「キアーラ」は芸術と小説が融合し、壁画に変えられた運命の暗さと悲しみに惹き込まれた。(mizukiさん)


堕ちる瞬間がある。恋に、絶望に、罪に、背徳に、執着に。闇深くぬらぬらした、まるで快楽を知る人間の秘部のような「黒い絵」が、あなたを「堕ちる世界」へ引きずり込む。(まさむーさん)


こんな原田マハがいたのか! 誰の中にも潜んでいる、どす黒い感情に感嘆する。(ayuminさん)


★油絵の世界では黒の絵の具を使わず、色を混ぜることで黒を作るという。黒い絵に潜む色の正体は、その個々が誰かの感情であり、ほとばしる瞬間を捕らえたものが絵画なのかもしれない。名画「オフィーリア」のように。(小黒 悠さん)


★「この黒知ってる」。原田マハは一貫して絵画と対峙した作家である。黒は通常いい意味で使われない。それが本作の罠だ。読む途中「あ!」と自分の「黒」に足を取られている。

「痛みと優しさ」を黒で塗り重ねた6篇。(momoさん)


マハさんが「黒」で描く情景は想像以上に多彩で、幾度も心揺さぶられます。日常から離れ、謎めいたダークな世界に引き込まれる一冊。(M.Tさん)


★物語に散りばめられた「黒」。目くるめく展開、最後にひやり、読み返したくなる脳に刺激的な短編集。(ひろたんさん)


★ゾクッとする展開ばかりで一度物語に引き込まれたら手が止められない。読了後も気になり続ける結末ばかり。二度読み必至。(ayanoさん)


★黒々と歪む狂気。愛欲への渇望。巧みな仕掛けに引き込まれて読み進めるうち、狂気も欲望も芸術も渾然一体となって盛り上がり、最後に眩しく昇華する。人の闇と芸術の織りなす協奏曲に、読後不思議な解放感を覚えた。(Ayakoさん)


★今までの原田マハとは違う、足元が覚束なくなるような感覚を得た作品。美と欲望は表裏一体と思わせる今までにない読書体験でした。(れいなさん)


原田マハ(はらだ・まは)

1962 年東京都生まれ。関西学院大学文学部日本文学科、早稲田大学第二文学部美術史科卒業。伊藤忠商事株式会社、森ビル森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館勤務を経て、2002年フリーのキュレーター、カルチャーライターとなる。’05年『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞し、’06年作家デビュー。’12年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞、’17年『リーチ先生』で第36回新田次郎文学賞を受賞。ほかの著作に『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『たゆたえども沈まず』など多数。’19年に世界遺産・清水寺で開催された展覧会「CONTACT つなぐ・むすぶ
日本と世界のアート展」の総合ディレクターを務めるなど、日本・世界各地のアートと美術館の支援を続けている。

装画:加藤 泉「Untitled」 キャンバスに油彩 56×41.5cm 2017年 個人蔵

Photo:岡野 圭 

Courtesy of the artist ©2017 Izumi Kato

ついに封印を解かれたのは、著者初の「ノワール小説集」。

嗜虐と背徳によって黒く塗りこめられた、全6作品を収録する衝撃作!

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