『霊獣紀 獲麟の書』著者渾身の中華ファンタジー開幕

文字数 1,641文字

「金椛国春秋」シリーズが大人気の篠原悠希さんの書下ろし『霊獣紀 獲麟の書(上)』がついに刊行となりました! 舞台は中国・五胡十六国時代。三国時代の後、匈奴、鮮卑など5つの部族による十六の国々が林立していた戦国時代。その戦乱の世、人界に囚われた霊獣と奴隷から盗賊に身を転じた若者の、戦いと友情を描く中華ファンタジーです。

堂々の開幕を記念して、篠原悠希さんのコメントなど、作品の魅力に迫ります!

著者コメント

「霊獣紀」シリーズ刊行にあたって/篠原悠希

魏呉蜀の三国を統一した晋が三代で崩壊したのち、百年以上続いた五胡十六国時代は、中華大陸の民族大移動の時代でもあります。あまりにめまぐるしく王国が乱立、滅亡する混沌とした時代で、三国時代や隋唐に比べると日本人には馴染みが薄く物語にするのが難しいため、歴史創作的には空白の時代でもありますが、石勒や苻堅、慕容煌という、多民族国家という新しい社会を目指した英雄もいて、物語にしないのはもったいない時代でもあります。そこで戦続きの殺伐とした単調さと血生臭さをファンタジーを絡めて表現して、現代人にも共感できるキャラクターを造形し物語を紡いでみました。ともに太平の世を夢見て歩きながらも、理想主義の霊獣一角と、現実主義ともいえる異民族のベイラとの葛藤も見どころです。

PROFILE

篠原悠希(しのはら・ゆうき)

島根県松江市出身。ニュージーランド在住。神田外語学院卒業。2013年「天涯の果て 波濤の彼方をゆく翼」で第4回野生時代フロンティア文学賞を受賞。同作を改題・改稿した『天涯の楽土』で小説家デビュー。中華ファンタジー「金椛国春秋」シリーズ(全10巻)が人気を博す。著書には他に「親王殿下のパティシエール」シリーズ『マッサゲダイの戦女王』『狩猟家族』などがある。

『霊獣紀 獲麟の書』主要登場人物紹介

主な登場人物


ベイラ

河北匈奴の若者

囚われて奴隷に落とされたあと、傭兵となり「八王の乱」に乗じ挙兵する


一角麒(いっかくき)

霊獣・赤麒麟の幼体

赤髪で金瞳、身軽で俊足、麒麟から人の姿に変化する


朱厭(しゅえん)

猿に似た幼獣で山神の使い

毛繕いが好き


霊獣とは⁉

幼体時を長く地上で過ごし、成熟すると天界と人界を自在に行き来できる。人間より遥かに長生き。


五胡十六国時代とは?

三国時代の後、匈奴・鮮卑など五つの異民族による十六の国々が林立して争った戦国時代。

担当コメント

中国の古代史ってどんなイメージをお持ちですか? 魏・蜀・呉の「三国志」や秦の始皇帝を描いたコミックの「キングダム」、好きな人は本当にすごく好きですよね。『霊獣紀』は魏・蜀・呉が滅んでやってきた北方民族が中国・中原を闊歩した五胡十六国時代を描いています。中国は距離的に近いとはいえどこれは二千年近い前のお話。でもそこには生死を賭して生き抜いた人間たちのリアルな姿がありました。『霊獣紀』ではその時代の武将たちと伝説の「霊獣」が、それぞれ自分の使命を感じながら、懸命に戦乱の世を生き抜きお互いを高めていく、壮絶な人間ドラマが描かれています。そしてこれは読んでいると確実にハマる! 担当編集としても、もう続編が待ち遠しいです。

(編集者T)


『霊獣紀 獲麟の書(上)』


戦乱の「五胡十六国時代」、

人界に降りたった幼き霊獣・一角と少数民族出身の若者・ベイラの果てしなき戦い、そして友情


少年に変化する能力を身につけた幼き霊獣・一角麒。天命を果たし”神獣”へと成長すべく、戦乱の中原に降り立つ。内乱の足音近づく晋の都・洛陽で、一角は天への光輝を放つ少年ベイラと知り合う。人界に囚われた霊獣と奴隷から盗賊に身を転じた若者の、戦いと友情を描く中華ファンタジー堂々開幕!

12月15日発売!

『霊獣紀 獲麟の書(下)』


『霊獣紀 獲麟の書』シリーズ開幕記念特別対談



田中芳樹『銀河英雄伝説』『アルスラーン戦記』 

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篠原悠希『金椛国春秋』『親王殿下のパティシエール』


2021年11月24日頃 文芸サイト tree にて公開予定!

登場人物紹介

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