(78)本郷和人【立花宗茂】

文字数 638文字

現代を代表する作家・漫画家・学者・舞台で活躍する芸人やタレントの方たちに、好きな戦国武将のアンケート調査を実施いたしました。

激動の令和において、人気のある武将は果たしてだれなのか?!

本郷和人(ほんごう・かずと)さん


──1960年東京都生まれ。東京大学史料編纂所教授。専門は日本中世政治史、古文書学。『空白の日本史』『明智光秀10の謎』『日本史ひと模様』など著書多数。近著に『歴史のIFもしも』。

【わたしの好きな戦国武将】


立花宗茂

戦国時代好きが「戦国武将で誰が一番強かったか」と話に花を咲かせる。所詮、戦いは数だから、豊臣秀吉や徳川家康が強いに決まっているのだが、それでは味気ない。もし兵数を二〇〇〇に限って、というなら、必ず名前が出てくるのが、立花宗茂である。


立花勢がなぜ強かったか。特別な戦術を使ったわけではないし、特別な編成原理で集められていたわけでもない。宗茂一人の個人的武勇が優れていても意味はない。では、なぜか。


ぼくは結局のところ、宗茂の人間力だと思う。宗茂は家臣たちに愛された。彼らはこの殿のためなら、と進んで死地に赴いた。だから強かったのではないか。立花勢の中隊長クラスの戦死率は、他の家よりずっと高いのだ。


関ヶ原の戦いで西軍につき、宗茂は領地を没収された。すると、家臣たちはアルバイトに精を出し、浪人した殿を食べさせた。宗茂は二代将軍秀忠に愛されて旧領をほぼ回復するが、それもこれも、彼の人柄ゆえだろう。

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