編集長ジミーがオススメ、2月の光文社文庫!

文字数 1,050文字

  久しぶりの日本武道館。リスアニ!LIVE2022、最終日に参戦してきました。オミクロン株による新型コロナウイルスの感染拡大に負けず、よく開催してくれました。南條愛乃さんがMCで語った「いずれ、あの時はみんなでマスクしてたねって笑ってやる」って言葉、力強く聴きました。もうしばらくしたら、きっとそうなりますよね。ちょっとだけ「only my railgun」も最高でした。


 さて、光文社文庫の2月のラインナップ。まずは単行本刊行時にも話題になりました葉真中顕さんの『Blue』の文庫化です。葉真中さんは『ロスト・ケア』で第16回日本ミステリー文学大賞を受賞してデビュー。第2作の『絶叫』も評判となり、『凍てつく太陽』では大藪春彦賞と日本推理作家協会賞を受賞。社会派ミステリの旗手として大活躍中ですが、本書も「平成」という時代をテーマに、いまだ解決の糸口すら見えない多くの社会問題に斬り込んだ傑作です。全編に散りばめられた数多くの「平成」のアイコンも味わってください。


 続いては熊谷達也さんの『エスケープトレイン』を。昨年、佐藤究さんの『テスカトリポカ』が直木賞と山本周五郎をW受賞して話題になりましたが、それ以前には熊谷さんの『邂逅の森』があるのみでした。光文社文庫では『リアスの子』など東日本大震災を背景にした作品も多いですが、本書は一転、自転車のロードレースをテーマにした作品。スポーツそのものの魅力と、チーム戦である人間関係のドラマが、実にリアルでおもしろく、自転車競技を知らない方でも十分に楽しめるはずです。
 もう一作は澤村伊智さんの『ひとんち 澤村伊智短編集』を挙げましょう。映画化もされた、第22回日本ホラー小説大賞受賞作『ぼぎわんが、来る』で一躍ホラー小説界の寵児となった澤村さんですが、どの作品を読んでも一筋縄ではいかない物語ばかり。本書に収められた8編の短編も、日常の世界から始まりながら、こちらの想像を裏切る恐ろしい展開が待っています。まずは表題作を読んでみてください!
 今月はもう一つライブの話を。大野雄二80歳記念「ルパン三世カリオストロの城 シネマコンサート!and大野雄二・ベスト・ヒット・ライブ」です。何度観ても圧倒的におもしろい『カリオストロの城』はもちろんですが、今回の目玉は第2部。『ルパン三世』からの名曲はもちろん、『犬神家の一族』『野性の証明』『キャプテン・フューチャー』などなど最後まで大感動でした。2日目に演奏されたという『水もれ甲介』も聴きたかったな!

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色