【せめて昼メシ講座】②ビールのつまみ/江上剛&枝元なほみ

文字数 1,751文字

ラストチャンス 参謀のホテル』でコロナショック後のホテル業界を描いた作家の江上剛さん。ビジネス小説でおなじみの江上さんが、料理研究家の枝元なほみさんに「簡単昼ごはん」の作り方を教わりました。


今回はビールに合うおつまみレシピをご紹介します!

ビールのつまみ


お父さん、自分が呑むビールのつまみくらい作れないと、「こわいい」奥さんに叱られるよ!

さて、なにはともあれ「せめ昼」、とびきり美味しいビールのつまみのスタートだ。

本気の枝豆
【材料】


枝豆1袋、塩大匙1

①枝豆は鋏を使って茎から切り落とす


②莢の両端を切る


③切った枝豆を塩で揉んで表面の産毛や汚れを落とす


④たっぷりのお湯で8~10分茹でる


⑤湯から上げたらお好みで塩をひと振りしてできあがり

絶品とうもろこしとエダモンミックススパイス

【材料】


とうもろこし2本、レモン2分の1個、チリペッパー、クミン、コリアンダー、オレガノ、カイエンペッパー、胡椒各小匙1、塩小匙2

①とうもろこしは皮付きのまま圧力鍋で10分蒸す(茹でる場合も皮付きが良い)


②各スパイスを混ぜ合わせる


③レモンをくし形切りにする


④蒸し上がったとうもろこしを食べやすい大きさに切り盛り付ける


⑤レモンとスパイスを添えてできあがり

「きれいですね。とうもろこしを蒸しただけなのに料理になりましたね」

 とうもろこし、レモンの黄色、エダモンミックススパイスの赤色がとても鮮やかだ。

「ちょっとたべてみていいですか?」

 私は、とうもろこしにレモンを搾り、そしてエダモンミックススパイスをつけた。

「食べますよ」

「どうぞ」

 スパイスがついたところをガブッ。うん? とうもろこしの甘さ、レモンの酸味、そしてスパイスの刺激が一気に押し寄せてくる。いつもの単調なとうもろこしだけの味ではない。

「初めて体験する味です」

 とうもろこしにもこんな食べ方があるんだと楽しくなる。


スパイシー手羽中スペアリブ
【材料】


鶏手羽中400g、唐辛子2分の1本、ニンニク小1片、クミンシード小匙1、粗塩・オレガノ・チリパウダー各小匙2分の1、オリーブオイル大匙1.5、粒胡椒・粗びき胡椒各適量

①すり鉢に粗塩、粒胡椒、唐辛子のみじん切り、ニンニクの粗切り、クミンシード、オレガノ、チリパウダーを入れ、それにオリーブオイルを加えてぐりぐりとすりつぶしてスパイスを作る


②ビニール袋に手羽中とスパイスを入れ、よく混ぜ、馴染ませる


③クッキングペーパーを敷いた耐熱容器に手羽中を並べる


④200℃のオーブンで15分焼いたらひっくり返し、再度10~15分焼く。こんがりと焼き色がつくまで焼けたらできあがり

グラスにビールが注がれる。白い泡が眩しい。口からノドが飛び出してくる感じだ。



「ご苦労さま、乾杯!」



師匠の音頭で全員がグラスを合わせる。



そして泡ごとビールを一気飲み。



「ああっ、プハアーッ」

冷たく苦いコハク色の液体がノドを通過するだけで、どうしてこんなに心地いいのか。




まずスパイシー手羽中スペアリブから。



まだ熱いスペアリブをガブリ。皮がパリパリと破れ、骨にしがみついてた肉がほろりと外れる。その瞬間、スパイシーな香りが鼻をつんと抜ける。それに合わせて冷たいビールをゴクリ。至上の幸福だ。



豚のスペアリブもいいが、この手羽中スペアリブは小さくて食べやすいのが重宝する。



 



ビールに気を取られている間に皿にあった本気の枝豆の山が低くなっている。よく見ると、師匠の皿に山が移動している。




「師匠、枝豆の独占禁止ですよ」



「だめよ、エダモン、止まんないんダモン」



師匠が甘い声でダジャレを言う。私も慌てて枝豆の山崩しに参戦。手元の皿に枝豆を取る。莢を指でピュッと押す。チュルッと実が飛び出て、口の中にポン。グッと噛むと塩味でさらに甘みを増した香り高い豆の味がジュワァ。ただ茹でただけなのに美味いな……。出るのは満足感溢れるため息ばかり。



「ピュッ、チュルッ、ポン、グッ、ジュワァですね」




ビールをグビグビ。


(IN☆POCKET2015年7月号より)

『ラストチャンス 参謀のホテル』

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