第4回/深夜の一人反省会

文字数 1,665文字

こちらはインターネットに生息するふしぎないきもの・にゃるらがインターネットと独り暮らしとそれ以外について深夜に執筆している画像付きエッセイです。→@nyalra


第1回はこちらから

 こんばんは、にゃるらです。


 この原稿を書いている時期は、拙作『NEEDY GIRL OVERDOSE』Nintendo Switch版の発売直前であり、スタッフやファンたちも盛り上がってくれているのですが、そんなインターネット上の様子とは関係なく、僕自体は相も変わらず自室で一人パソコンをカタカタしております。人生とは、常にこういうものなんでしょうね。クリエイターに大きなイベントがあっても、それはネット上でのことであり、基本的には家でパソコンかスマホと向き合っている。これが現代社会だ。


 それはともかく、深夜に一人で過ごしていると浮かび上がるイヤなアレ、ありますよね。「一人反省会」。最近の自分の言動や行動で、思い返すと恥ずかしくてたまらないこと・または誤解されてないか心配なことが、次々とエンドレスで連想されて離れない。なにを隠そう、いま現在キーボードを叩いている僕も一人反省会の真っ最中でして、それから逃れるためにこうして締め切りに余裕があるのに関わらず原稿を書いている。逃避できるうえに原稿料ももらえて一石二鳥なのだ。仕事というのは至極イヤな作業ですが、それゆえに細かいことを忘れられるのは便利かもしれない。まあ細かい悩みの大半が労働に起因するものでしょうが。


 先日、当コラムについて担当編集さんと打ち合わせして頂いた際、「お忙しそうですけど連載して大丈夫ですか?」と訊かれたので、「1000文字くらいのコラムだったらどんな時でも遅れないのでお気遣いなく!」と返したのですね。実際、僕は毎日1000文字程度の日記をnoteに投稿して慣れているので、これくらいの要領なら大問題ないと安心させたかったのです。


 それが、どうやら僕の言い方が自身に満ち溢れすぎていたらしく、軽く嘲笑されてから「それは頼もしいですね笑」と言われてしまった。たしかに、思い返すとイキりっぽいニュアンスになっており、無駄に強キャラっぽさが出ていることに自分でも笑えてきました。恥ずかしい……。


 こんな会話なんて編集からすればどうでもいいわけで、わざわざ「違うんです! 今のはイキったわけでなく……」とフォローするのもおかしい。しかも、思い出して恥ずかしくなったタイミングで「あの時の会話ですが……」とLINE上で切りだすのはますます不審です。でも、この誤解を解消しないと一人反省会の恥ずかしさで押しつぶされてしまう……!


 といった経緯がありまして、ちょうど原稿に一連の事情を書けば万事解決すると気づいて実行した次第。いや、よかった。本当にカッコつけたわけじゃないんですよ。心配に対して安心で返し、信頼を勝ち得たかったのです。「意外とちゃんと守るべきことは守るんだな」って思われたいじゃないですか……! 端的に伝えるために、あのような言い方になっちゃったんです。


 と、まあ今回は奇跡的に誤解を晴らすことができそうなのですが、一人反省会の内容は基本的に挽回することはできません。そもそも誤解されたと思いこんでいること自体が誤解であったり、相手からすれば毛ほども気にしていない可能性がほとんど。あえて言い訳を重ねることこそ他ならぬ恥の上塗り。だからこそ、当事者は消えない恥ずかしさのスパイラルへと陥っていく。


 解決策は、はやく眠ることだけ……。こんな文章を読んでないで、あなたも寝ましょう。深夜特有の「魔」から逃れる方法は、睡眠以外に存在しないのだから……。

【プリチャンのぬいぐるみ】

本来なら靴箱であろう場所に詰め込んでいる『プリチャン』のぬいぐるみ。一番上にあるだいあちゃんのぬいぐるみは、その特徴的な愛らしさが一部オタクに大ウケして、なんと何十万円の値段まで発展したものの、公式がちゃんと再販してくれたので落ち着いた。

来週も月曜深夜に更新予定です。それでは、おやすみなさい。

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