「SCIS」シリーズ、新章へ!

文字数 1,279文字

 2022年4月より、日本テレビ×Huluの共同製作にて、拙著『SCIS 科学犯罪捜査班 天才科学者・最上友紀子の挑戦』(光文社文庫)シリーズが、地上波テレビにて放映中です。シーズン1は日本テレビ系にて全10話、続くシーズン2はHuluにて全6話が放映される予定です。ドラマ化に際してはタイトルが『パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~』へと変わりました。
 主役の小比類巻祐一をディーン・フジオカさん、ヒロインの最上友紀子を岸井ゆきのさん、刑事の長谷部勉をユースケ・サンタマリアさんに務めていただき、映像は羽住英一郎監督に撮ってもらいました。三人のコミカルなやり取りが毎回とても楽しいです。原作をかなりアレンジしていただいていますので、原作とドラマで二度楽しめる内容になっています。ぜひどちらもお楽しみください。

 さて、このタイミングに合わせて、『SCIS 最先端科学犯罪捜査班 SS I』がこの6月に発売になります。前作の『SCIS Ⅴ』にて、SCISチームの最大の敵が倒れましたので、気持ちも新たにしまして、今作は新シーズンのスタートとしてみました。作中でもとある役職の人物が刷新されるなどの変更点もあります。
「SCIS」シリーズでは、毎回、最先端科学に絡んだ犯罪が発生するために、そのつど頭を悩ませながら、科学ネタを探していますが、今回「何でこんな大きなネタにいままで気づかなかったんだろう」という特上のネタを発見しました。それが「透明人間」です。現代はもう透明人間が科学的に実現できる時代なんですね。まさに現代は昔のSFが現実になる時代なのだなぁと感動を覚えました。今作も3本の短編が収録されていますが、個人的には「透明人間」の章が一番好きといえるでしょうか。
 古典の時代から使われ続ける「透明人間」というネタが、今世紀の「SCIS」シリーズの中でどうよみがえり、どう生かされるのかと、楽しみながらお読みいただけたらと思います。その他にも、「呪い」を最先端科学的見地から切り取ってみたり、月の砂〈レゴリス〉に関わる殺人事件が起きたりと、最先端科学の絡む事件が発生します。小比類巻、最上、長谷部のトリオの楽しい活躍はそのままに、これからドライブのかかった新章のスタートをお楽しみいただけましたら幸いです。



中村啓(なかむら・ひらく)
東京都出身。第7回「このミステリーがすごい!」大賞・優秀賞を受賞し、『霊眼』(宝島社)にてデビュー。著書に『美術鑑定士・安斎洋人「鳥獣戯画」空白の絵巻』、『黒蟻 警視庁捜査第一課・蟻塚博史』『ZI-KILL 真夜中の殴殺魔』などがある。異色のサイエンスミステリー「SCIS 科学犯罪捜査班」シリーズが、日本テレビ系・Huluでドラマ化(「パンドラの果実 ~科学犯罪捜査ファイル~」)され、注目を集めている。

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