(27)長浦京【福島正則】

文字数 673文字

現代を代表する作家・漫画家・学者・舞台で活躍する芸人やタレントの方たちに、好きな戦国武将のアンケート調査を実施いたしました。

激動の令和において、人気のある武将は果たしてだれなのか?!

長浦 京(ながうら・きょう)さん


──1967年埼玉県生まれ。2011年『赤刃』で第6回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。17年『リボルバー・リリー』で第19回大藪春彦賞受賞。他の著書に『マーダーズ』。近著に『アンダードッグス』。

【わたしの好きな戦国武将】


福島正則

「ガンダムのドズルみたいな奴」と、中学のころ歴史好きの友達が教えてくれた。出自はドズルほど高貴ではないが、生き方はその通りの典型的猪武者。秀吉の小姓から武功を重ね、賤ヶ岳七本槍の一番手に数えられる猛者となる。戦術は巧みにして臨機応変。しかし、戦略はからきしで、謀略を企てるセンスもゼロ。酔って馬鹿な賭けをして家宝を取られたりもする。ただ、裏表のなさから同僚・部下に愛され、領地でも領民を労り、年貢を減らし、崇められる。中でも、関ヶ原の前哨戦、旧主筋織田信長の孫・秀信が守る岐阜城攻めの逸話が好きだ。池田輝政と下らない先陣争いをしていたが、いざ戦がはじまると、城を瞬時に落とす。しかも信長への義を通すため、「我が武功に代えても」と秀信の助命を家康に嘆願。最後も愚直ゆえ、江戸幕府に媚を売ることができず改易され小大名に落とされるが、隠居まで領地の産業振興に尽くす。野暮も突き詰めれば粋になる──を体現するような生き方。美しい。

登場人物紹介

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