➂関ヶ原の戦い完全ガイド

文字数 1,927文字

全国の合戦好きの皆様、歴史をもっと深く知りたい皆様。お待たせいたしました!

日本の歴史に残る有名な合戦を活写&深堀りして大好評の矢野隆さんの「戦百景」シリーズ。第3弾は、ついにあの日本一有名な戦「関ヶ原の戦い」を描いた『戦百景 関ヶ原の戦い』です!


第1弾『戦百景 長篠の戦い』「細谷正充賞」を受賞

第2弾は、歴史の流れを変えた「日本三大奇襲」の一つであり、織田信長の名を天下にとどろかせた有名な合戦「桶狭間の戦い」を描いた『戦百景 桶狭間の戦い』

第3弾の「関ヶ原の戦い」は、東軍と西軍、どちらに軍配があがったかは、周知の事実。──でも、その戦の裏にあった家康と三成の謀略合戦、またその一日の間の各武将たちの心境、動きを多視点リアルタイムによる輪舞形式で描いた今作をもっと楽しむために、この合戦をMAPと時系列に沿った動きでご紹介!


これから読む方にも、読んだ方にもおすすめの、物語をより楽しむための作品ガイドです!

【関ヶ原の戦い 進路図】 地図制作/ジェイマップ
「関ヶ原の戦い」を時系列で追う!

─── 慶長5年(1600年)───


●7/17  三成、挙兵(西軍)

   

●7/25  上杉討伐軍、反転(東軍)

   ↓

●8/1    西軍、伏見城を攻略

   ↓

●8/10    三成、大垣城に入場

   ↓

●8/23    東軍先発隊、岐阜城後略

   ↓

●9/14    家康、美濃赤坂に着陣

   ↓

(同夜)  西軍、関ヶ原へ移動

   ↓

●9/15(朝)松平直吉・井伊直政が開戦

   ↓

(同昼過ぎ)小早川秀秋が寝返る

   ↓

(同午後)西軍壊滅し、三成は逃走

【コラム:関ヶ原の戦いとは その2~残念な武将たち~】 その1はこちら>


関ヶ原の戦いののち、西軍に加担した多くの武将が所領を没収されるか減封された。全国で約2000万石の石高のうち実に660万石がそれに該当する。さてその中で「残念な武将」を取り上げたい。まずは小早川秀秋。彼の裏切りのおかげで東軍は大勝したとされるが、加増は36万国から51万石とたいしたことはなく、世間からは「卑怯者」呼ばわりされ2年後に病死する。また小早川のそばに布陣しその裏切りに呼応して東軍の勝利を決定的にした赤座・小川・朽木・脇坂の4将は、意外にも前者2将が改易、あとは減封と安堵だった。毛利本家のために東軍に内通し、南宮山の西軍を足止めした吉川広家は、結局本家を120万石から36万石への減封に陥れた。関ヶ原の戦いの遠因となる「会津征伐」を招いた上杉景勝は、伊達や最上と東北で戦っていたが西軍の敗戦を受けて降伏。120万石から30万石に減じられる。そして最も残念だったのは豊臣秀頼だろう。全武将の主家であり関ヶ原に参戦しなかったにもかかわらず222万石から65万石に減封されたのである。その点からもこの合戦が「天下分け目の戦い」であったことがわかる。


『戦百景 関ヶ原の戦い』 矢野隆・著

<あらすじ>

慶長3年(1598年)、死の床にあった豊臣秀吉から側に侍る石田三成に密命が下る。なんとしても家康を殺せと。秀吉は間もなく逝去し、9ヵ月が経過する。福島正則ら秀吉子飼いの七将が三成を襲撃し、逃げ込んだ先の家康邸を囲む。だが家康の仲裁によって仕留めそこなう。慶長5年(1600年)、上杉征伐が始まる。領国・敦賀から会津へと向かう大谷吉継を三成が足止めし、壮大な対家康作戦を披瀝する。吉継は三成に傾く。対して、家康から黒田長政への密命も下される。それは豊臣恩顧の武将を束ねて味方につけろというもの。長政は、豊臣恩顧筆頭とも言える福島正則の籠絡を試みる。下野国小山での評定の前日だった。さらに、宇喜多秀家、井伊直政、島左近、小早川秀秋、島津義弘と、点は繋がって線となり、家康が待ち構える関ヶ原の戦場へと向かっていく……。

矢野隆(やの・たかし)

1976年福岡県生まれ。2008年『蛇衆』で第21回小説すばる新人賞を受賞。その後、『無頼無頼!』『兇』『勝負!』など、ニューウェーブ時代小説と呼ばれる作品を手がける。また、『戦国BASARA3 伊達政宗の章』『NARUTO-ナルト‐シカマル新伝』といった、ゲームやコミックのノベライズ作品も執筆して注目される。また2021年から始まった「戦百景」シリーズ(本書を含む)は、第4回細谷正充賞を受賞するなど高い評価を得ている。他の著書に『清正を破った男』『生きる故』『我が名は秀秋』『戦始末』『鬼神』『山よ奔れ』『大ぼら吹きの城』『朝嵐』『至誠の残滓』『源匣記 獲生伝』『とんちき 耕書堂青春譜』『さみだれ』『戦神の裔』などがある。

★『戦百景 桶狭間の戦い』完全ガイドはこちらから! ↓↓

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