■SS『狗の王』特別番外編「しつけ」ふゆの仁子
文字数 4,023文字
狗と称されても、今は実際犬の形に変身する者はいない。それが現在の見解らしい。
「今ということは、以前はいたってことですか?」
昼下がり。
サーロス邸の誇る英国式庭園で、紅茶と焼き菓子を楽しみながらランが口にした疑問に、フェンリルは曖昧な表情を見せる。当たり前のように背後に立つヴァナルガンドも、同じような表情だ。
「いた、らしい」
「らしい?」
「が、よくわからない」
「記録に残っていないんですか?」
「残ってはいる。が」
「が?」
「公式のものではなく個人的な日記のため、信憑性には欠ける」
ヴァナルガンドがフェンリルの言葉を補足すべくつけたしてきた。
「日記があるんですか?」
「ある。が、変身した当人のものではない」
「では誰の?」
「飼い主だ」
「飼い主?」
意味がわからず、ランは首を傾げる。
「言い方を考えろ。そんな言い方をしたらランが混乱する」
フェンリルはヴァナルガンドを戒める。
「あの」
「私の祖先の配偶者が記した日記が残されているのだが、ユーモアのある人だったようで、あえて『飼育日記』と銘打って書かれている」
「飼育日記?」
「内容は日々の事柄についてだから、実際に飼育していたわけではない」
「そ、うですよね」
実際に犬になるわけではない以上、飼育方法が書かれているはずがない。そう思って安堵しかける。
「そうだな。実際に飼育について書かれていたのはごくわずかだ」
「ヴァナルガンド!」
だが、ヴァナルガンドの発言で不安を煽られる。
「姿形は変わらなくても、犬みたいな仕種とか反応とかするようになるんですか?」
正確にはランは犬ではなく狼らしいが、生態はよくわからない。まあ、犬も狼も大差ないだろう。
「犬みたいな仕種とは、具体的にどんなものだ?」
「え、と……お座りとか、お手とか待てとか……」
「それは『仕種』ではなく『しつけ』だろう」
「あ……」
指摘されて気づく。犬っぽい仕種とはどんなものがあるだろうか。改めて考えるものの、犬を飼った経験がないため思いつかなかった。
「フェンリル。何かあるか?」
「意識したことはない。が、子どもの頃は無意識に親に頭を擦り寄せていたような……」
その言葉でランは頭の中でフェンリルに良く似た面差しのサーロス・ウルフホンドの子犬が、自分の手に顔を擦り寄せている様子を想像した。
「可愛い……」
咄嗟にランが呟きを漏らすと、フェンリルが怪訝な視線を向けてきた。
「何を想像している?」
「いえ、その」
「言っておくけど、今みたいな仕種は、君もしているから」
「え?」
ランは思わず大きな声を上げる。
「俺、何かしましたか?」
ヴァナルガンドに尋ねるが、表情を変えることなく首を左右に振った。
「ヴァナルガンドに聞いてもわかるわけがない。私しか見たことがないのだから」
真顔で平然と言い放たれて、ランの顔が一気に赤くなる。フェンリルしか見たことがないと言われたら、どういうシチュエーションでのことか容易に想像できてしまい、両手で顔を覆う。
「惚気るな」
呆れたように言うヴァナルガンドに、フェンリルは「惚気たつもりはないが?」と返す。
「そう言うなら、フェンリルのした犬っぽい仕種について、ランに教えてやろう」
「ホントですか?」
ヴァナルガンドの言葉で、ランは覆っていた手から顔を上げる。
「ヴァナルガンド。余計なことを言うな」
「ランにしてみれば余計なことじゃない。そうだろう、ラン」
「はい!」
目いっぱい力強く頷くと、フェンリルが肩を竦めた。
「私がいつ、犬みたいな仕種をしたと言うんだ?」
「まだ俺もお前も子どもの頃だ。たまたま庭で花壇を作っていたとき、誰かがボールを投げたことがあったのを覚えているか?」
「……あ」
ヴァナルガンドの言葉にフェンリルが反応する。
「野球のボールのような大きさの?」
「そうだ。ビニール製の緑色のボールだ。我らが花壇を作る横でキャッチボールをしていたから、ずっと気になっていた」
「ああ……思い出した。最初のうちは我慢していた。だがボールが飛び交っているのを見ていたら無性に気になってきて……」
何度目か、遠くにボールが投げられたタイミングで、気づいたら釣られて走り出していた。
その様は、まさに犬がボールで遊ぶがごとく、だったという。
「私だけでなく、君も同じじゃないか」
「フェンリルだけの話だと言った覚えはない」
フェンリルが指摘してもヴァナルガンドは平然としたものだ。
「あのときは、我を忘れて走り回ったな」
「そうだな」
二人して遠い目をする様子から、さぞかし楽しい思い出なのだろう。だからこそランは思う。
(見たかった……)
銀の子犬と黒の子犬が戯れるように遊んでいたに違いない。想像するだけで、あまりの可愛らしさに頬が緩んでしまう。
「何を笑ってる?」
そんな表情に気づいたのだろうフェンリルに、横目で睨まれていた。
「別に笑ってなんていません」
「嘘が下手だな」
苦笑を漏らすフェンリルの手には、どこから持って来たのか蛍光カラーのボールがあった。それを何気なくポンポンと弾ませる。
「嘘なんて吐いて、いません、けど」
平静を装いつつも、視界の隅で動くボールが気になってしまう。
「けど?」
芳しい紅茶を飲んでいても、ナッツやドライフルーツがたくさん混ぜ込まれた焼き菓子を食していても、ボールの動きがどうしても目の端から消えてくれない。
「あの、仕種だけでなく、食事も犬っぽいものが好き、だった、んでしょう、か」
なんとか話題を変えようとしても気が散ってしまう。
「犬は基本雑食だから、普通だったんじゃないか?」
フェンリルはランの反応を楽しんでいる。口の端に笑みを湛え、ランの視線を眺め、「その」タイミングを見計らっているのだ。
「ああ、でもランは狼だから、私たちと好みが違うか」
不意に言われて、ランは「そんなことは」と否定しようとした。が、そのタイミングで、フェンリルは手にしていたボールを、庭園の遥か先に投げてしまう。
「……っ」
頭で考えるより体が、いや、本能が反応してしまう。気づいたときには、投げられたボールを掴んでフェンリルのところに戻るべく走っているところだった。
我に返って呆然とするランを、フェンリルとヴァナルガンドがにやにや笑って眺めている。
(こうなるとわかっていたんだ!)
まんまと思うつぼにはまった悔しさより、一瞬ではあるものの我を忘れてしまったことに驚愕していた。まったく意識したことのない本能が、己の中にもあったのか。
「どうした?」
「この先、狼の本能がもっと出てきたりするんでしょうか?」
発情期が訪れたことで、狼として目覚めたばかりだ。この先もっと変化するのかもしれないと思うと怖くなる。
「発情してるときに、なんらかは表に出てくる可能性はある」
「やっぱり……」
不安が現実になってしまうかもしれない。
「だが心配することはない。たとえ表に出たとしても、同じ狗なら気づく程度のことだし、そんな姿を見るのは基本的に私だけだ」
落ち込むランの頭を、フェンリルは優しく撫でてくれる。掌全体で髪の毛ごと、くしゃりと撫でつけられる心地よさに、ランは無意識に頭を自らその手に押しつける。
「それでも嫌なら、少しずつ慣れていけばいい」
「どうやって?」
「例えばこうして突然ボールを投げられても、反応しないようにする」
言われたときにはもう、ランは走り出していた。それを見てフェンリルは温かい眼差しをランに向けているが、ヴァナルガンドは笑いを堪えるのに必死だった。
「心配せずともそのうちに慣れる。私も小さい頃は我慢できずに走ったものだが、今は平気だ」
「そのうちに……って、どのぐらいですか」
慣れるためには、それだけボールを追いかけねばならないということだ。
「そのうちはそのうちだ。そんな顔をせずとも、運動にもなるし、いいじゃないか」
「でも」
「それとも君は、私とこうして遊ぶのが嫌なの、か……」
「そんなことはありません!」
ランはフェンリルの言葉に被せるような勢いで否定する。
フェンリルと出会ってから間もない上に、年齢が年齢だ。体は繋いでいても一緒に遊ぶ機会などあるわけもなかった。
だから、嫌どころか嬉しいぐらいだ。
「あの……」
「じゃあ、お手」
差し出された手を凝視してから、上目遣いの視線をフェンリルに向ける。と、満面の笑みを浮かべていた。
「あの」
「お手」
再び繰り返される。さすがにここで「自分は犬ではない」と言えない。だから恐る恐るフェンリルの手の上に右手を乗せた。
「お代わり」
当然その指示にも従って右手から左手に乗せ換えると、フェンリルは満面の笑みを浮かべて言った。
「よくできました」
くしゃりと頭を撫でられて、嬉しいと感じてしまう自分は、きっとフェンリルの思うつぼなのだろう。わかっていても、フェンリルの傍にいられることが何よりも幸せなのだから、ランは素直に現実を受け入れることにした。
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「今ということは、以前はいたってことですか?」
昼下がり。
サーロス邸の誇る英国式庭園で、紅茶と焼き菓子を楽しみながらランが口にした疑問に、フェンリルは曖昧な表情を見せる。当たり前のように背後に立つヴァナルガンドも、同じような表情だ。
「いた、らしい」
「らしい?」
「が、よくわからない」
「記録に残っていないんですか?」
「残ってはいる。が」
「が?」
「公式のものではなく個人的な日記のため、信憑性には欠ける」
ヴァナルガンドがフェンリルの言葉を補足すべくつけたしてきた。
「日記があるんですか?」
「ある。が、変身した当人のものではない」
「では誰の?」
「飼い主だ」
「飼い主?」
意味がわからず、ランは首を傾げる。
「言い方を考えろ。そんな言い方をしたらランが混乱する」
フェンリルはヴァナルガンドを戒める。
「あの」
「私の祖先の配偶者が記した日記が残されているのだが、ユーモアのある人だったようで、あえて『飼育日記』と銘打って書かれている」
「飼育日記?」
「内容は日々の事柄についてだから、実際に飼育していたわけではない」
「そ、うですよね」
実際に犬になるわけではない以上、飼育方法が書かれているはずがない。そう思って安堵しかける。
「そうだな。実際に飼育について書かれていたのはごくわずかだ」
「ヴァナルガンド!」
だが、ヴァナルガンドの発言で不安を煽られる。
「姿形は変わらなくても、犬みたいな仕種とか反応とかするようになるんですか?」
正確にはランは犬ではなく狼らしいが、生態はよくわからない。まあ、犬も狼も大差ないだろう。
「犬みたいな仕種とは、具体的にどんなものだ?」
「え、と……お座りとか、お手とか待てとか……」
「それは『仕種』ではなく『しつけ』だろう」
「あ……」
指摘されて気づく。犬っぽい仕種とはどんなものがあるだろうか。改めて考えるものの、犬を飼った経験がないため思いつかなかった。
「フェンリル。何かあるか?」
「意識したことはない。が、子どもの頃は無意識に親に頭を擦り寄せていたような……」
その言葉でランは頭の中でフェンリルに良く似た面差しのサーロス・ウルフホンドの子犬が、自分の手に顔を擦り寄せている様子を想像した。
「可愛い……」
咄嗟にランが呟きを漏らすと、フェンリルが怪訝な視線を向けてきた。
「何を想像している?」
「いえ、その」
「言っておくけど、今みたいな仕種は、君もしているから」
「え?」
ランは思わず大きな声を上げる。
「俺、何かしましたか?」
ヴァナルガンドに尋ねるが、表情を変えることなく首を左右に振った。
「ヴァナルガンドに聞いてもわかるわけがない。私しか見たことがないのだから」
真顔で平然と言い放たれて、ランの顔が一気に赤くなる。フェンリルしか見たことがないと言われたら、どういうシチュエーションでのことか容易に想像できてしまい、両手で顔を覆う。
「惚気るな」
呆れたように言うヴァナルガンドに、フェンリルは「惚気たつもりはないが?」と返す。
「そう言うなら、フェンリルのした犬っぽい仕種について、ランに教えてやろう」
「ホントですか?」
ヴァナルガンドの言葉で、ランは覆っていた手から顔を上げる。
「ヴァナルガンド。余計なことを言うな」
「ランにしてみれば余計なことじゃない。そうだろう、ラン」
「はい!」
目いっぱい力強く頷くと、フェンリルが肩を竦めた。
「私がいつ、犬みたいな仕種をしたと言うんだ?」
「まだ俺もお前も子どもの頃だ。たまたま庭で花壇を作っていたとき、誰かがボールを投げたことがあったのを覚えているか?」
「……あ」
ヴァナルガンドの言葉にフェンリルが反応する。
「野球のボールのような大きさの?」
「そうだ。ビニール製の緑色のボールだ。我らが花壇を作る横でキャッチボールをしていたから、ずっと気になっていた」
「ああ……思い出した。最初のうちは我慢していた。だがボールが飛び交っているのを見ていたら無性に気になってきて……」
何度目か、遠くにボールが投げられたタイミングで、気づいたら釣られて走り出していた。
その様は、まさに犬がボールで遊ぶがごとく、だったという。
「私だけでなく、君も同じじゃないか」
「フェンリルだけの話だと言った覚えはない」
フェンリルが指摘してもヴァナルガンドは平然としたものだ。
「あのときは、我を忘れて走り回ったな」
「そうだな」
二人して遠い目をする様子から、さぞかし楽しい思い出なのだろう。だからこそランは思う。
(見たかった……)
銀の子犬と黒の子犬が戯れるように遊んでいたに違いない。想像するだけで、あまりの可愛らしさに頬が緩んでしまう。
「何を笑ってる?」
そんな表情に気づいたのだろうフェンリルに、横目で睨まれていた。
「別に笑ってなんていません」
「嘘が下手だな」
苦笑を漏らすフェンリルの手には、どこから持って来たのか蛍光カラーのボールがあった。それを何気なくポンポンと弾ませる。
「嘘なんて吐いて、いません、けど」
平静を装いつつも、視界の隅で動くボールが気になってしまう。
「けど?」
芳しい紅茶を飲んでいても、ナッツやドライフルーツがたくさん混ぜ込まれた焼き菓子を食していても、ボールの動きがどうしても目の端から消えてくれない。
「あの、仕種だけでなく、食事も犬っぽいものが好き、だった、んでしょう、か」
なんとか話題を変えようとしても気が散ってしまう。
「犬は基本雑食だから、普通だったんじゃないか?」
フェンリルはランの反応を楽しんでいる。口の端に笑みを湛え、ランの視線を眺め、「その」タイミングを見計らっているのだ。
「ああ、でもランは狼だから、私たちと好みが違うか」
不意に言われて、ランは「そんなことは」と否定しようとした。が、そのタイミングで、フェンリルは手にしていたボールを、庭園の遥か先に投げてしまう。
「……っ」
頭で考えるより体が、いや、本能が反応してしまう。気づいたときには、投げられたボールを掴んでフェンリルのところに戻るべく走っているところだった。
我に返って呆然とするランを、フェンリルとヴァナルガンドがにやにや笑って眺めている。
(こうなるとわかっていたんだ!)
まんまと思うつぼにはまった悔しさより、一瞬ではあるものの我を忘れてしまったことに驚愕していた。まったく意識したことのない本能が、己の中にもあったのか。
「どうした?」
「この先、狼の本能がもっと出てきたりするんでしょうか?」
発情期が訪れたことで、狼として目覚めたばかりだ。この先もっと変化するのかもしれないと思うと怖くなる。
「発情してるときに、なんらかは表に出てくる可能性はある」
「やっぱり……」
不安が現実になってしまうかもしれない。
「だが心配することはない。たとえ表に出たとしても、同じ狗なら気づく程度のことだし、そんな姿を見るのは基本的に私だけだ」
落ち込むランの頭を、フェンリルは優しく撫でてくれる。掌全体で髪の毛ごと、くしゃりと撫でつけられる心地よさに、ランは無意識に頭を自らその手に押しつける。
「それでも嫌なら、少しずつ慣れていけばいい」
「どうやって?」
「例えばこうして突然ボールを投げられても、反応しないようにする」
言われたときにはもう、ランは走り出していた。それを見てフェンリルは温かい眼差しをランに向けているが、ヴァナルガンドは笑いを堪えるのに必死だった。
「心配せずともそのうちに慣れる。私も小さい頃は我慢できずに走ったものだが、今は平気だ」
「そのうちに……って、どのぐらいですか」
慣れるためには、それだけボールを追いかけねばならないということだ。
「そのうちはそのうちだ。そんな顔をせずとも、運動にもなるし、いいじゃないか」
「でも」
「それとも君は、私とこうして遊ぶのが嫌なの、か……」
「そんなことはありません!」
ランはフェンリルの言葉に被せるような勢いで否定する。
フェンリルと出会ってから間もない上に、年齢が年齢だ。体は繋いでいても一緒に遊ぶ機会などあるわけもなかった。
だから、嫌どころか嬉しいぐらいだ。
「あの……」
「じゃあ、お手」
差し出された手を凝視してから、上目遣いの視線をフェンリルに向ける。と、満面の笑みを浮かべていた。
「あの」
「お手」
再び繰り返される。さすがにここで「自分は犬ではない」と言えない。だから恐る恐るフェンリルの手の上に右手を乗せた。
「お代わり」
当然その指示にも従って右手から左手に乗せ換えると、フェンリルは満面の笑みを浮かべて言った。
「よくできました」
くしゃりと頭を撫でられて、嬉しいと感じてしまう自分は、きっとフェンリルの思うつぼなのだろう。わかっていても、フェンリルの傍にいられることが何よりも幸せなのだから、ランは素直に現実を受け入れることにした。
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ふゆの仁子先生の本 大好評発売中
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『狗の王』
(イラスト/黒田 屑)
“運命と本能のノンストップ・ラブ!!”
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『霞が関で昼食を 全6冊合本版』
(イラスト/おおやかずみ)
“霞が関で繰り広げられる、後輩×先輩の極上の恋!”
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