先生、僕って文才ありますかね? 後藤拓実×武田綾乃 【後編】

文字数 2,055文字

人気お笑いトリオ・四千頭身後藤拓実さんによる初エッセイ『これこそが後藤』が、いよいよ9月8日に発売! その刊行を記念して、書籍にも収録されている作家・武田綾乃さんとの対談を、3日連続でチラ見せします!

 

小説家とお笑い――舞台は違えど、ともに創作する立場。

普段、インプットってどうしてますか?


構成:瀧井朝世 写真:森清 場所:講談社

日常からのヒント

武田 後藤さんはエッセイで三軒茶屋での暮らしもかなり具体的に描かれていますよね。住んでいる場所を特定されたりして危険じゃないですか?


後藤 ラジオで三軒茶屋のタワーマンションに越したって話をしたんです。そしたらリスナーからメールがきたんですよ。「後藤さん、大変です。三軒茶屋にはタワマンがひとつしかないです」って。それでバレちゃって。もういいかなと思って。


武田 開き直っちゃったんですね。


後藤 はい。セキュリティーもしっかりしているし、同居している後輩芸人もいるし、大丈夫っしょ、って。


武田 じゃあ安心ですね。三軒茶屋、いい街ですね。


後藤 いい街です。今は外に出られないからなんの意味もないですけれど。まあ、家にいる時間もいいですよね。


武田 お仕事で毎日出かけるから、あまり家にいる時間がなくないですか?


後藤 ありますよ。「たしなみ後藤」しています。たしなませていただいてます。


武田 早起きの生活は続いているんですか。


後藤 もう完全に終わりました。遅くまで起きています。


武田 夜のほうが静かで集中できますよね。


後藤 深夜番組も面白いし。


武田 普段、意識してインプットのためにしていることってありますか。


後藤 いや、お仕事がちらついたら僕は駄目なんです。芸人さんで、仕事に繫がるからってサウナ行く奴とかいるじゃないですか。なにそれっていう。今さらサウナなんて仕事に繫がらないじゃないですか。


武田 確かに、飽和してる印象がありますね。


後藤 たまたまやっていることが仕事に繫がればいいだけですから。だから、インプットってわかんないですね。やってないんじゃないですかね。


武田 いやいや、それであんな面白いこと、思いつけないですよ。


後藤 頭が暇なんじゃないですか? でも、ネタを書こうとして机に向かっていても、全然出てこなかったりします。


武田 その時はどうするんですか。


後藤 本当に出ない時はジムに行きます。最近は全然行けてないですけれど、ジムで、音楽も聴かずに走ってますね。


武田 そうしたら浮かんでくるんですか。


後藤 浮かんでくる時もありますし、全然浮かばない時もありますし。


武田 漫画は読んだりしますか?


後藤 『東京卍リベンジャーズ』とか。あれは読んだほうがいいですよ。新しいヤンキー漫画で、アニメもやってますよ。


武田 今日買いますね。私、ヤンキーものは「喧嘩番長」のようなゲームばかりやっていて、漫画は通らずにきちゃったので。


後藤 僕は、次に武田さんの何の本を読もうかなと思っていて。


武田 高校生がYouTuberになってゲーム実況をする『どうぞ愛をお叫びください』っていう明るい話もありますよ。


後藤 それ、今すぐ買います。『愛されなくても別に』は都築と石橋に貸したいなと思っています。あれは最後、畳みかけるようで、鳥肌が立ちました。


武田 ありがたいです。読書ってお堅いイメージがあるかもしれないけれど、娯楽のひとつと思って楽しんでもらえたら。


後藤 たしかに娯楽ですね。

つづきは9月8日発売の 『これこそが後藤』 でお楽しみください!

武田綾乃(たけだ・あやの)

1992年京都府生まれ。第8回日本ラブストーリー大賞最終候補作に選ばれた『今日、きみと息をする。』が2013年に出版されデビュー。『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ』がテレビアニメ化され話題に。同シリーズは映画化などもされ人気を博している。『愛されなくても別に』で第42回吉川英治文学新人賞を受賞。その他の著書に、「君と漕ぐ」シリーズ、『石黒くんに春は来ない』『その日、朱音は空を飛んだ』『どうぞ愛をお叫びください』などがある。

後藤拓実(ごとう・たくみ)

97年岩手県生まれ。16年、都築拓紀、石橋遼大とともにお笑いトリオ「四千頭身」を結成。おもにツッコミとネタ作りを担当している。YouTubeに四千頭身公式チャンネル「YonTube」を開設し動画を配信中。FM-FUJIにてレギュラー番組「四千ミルク」を放送中。

人気お笑いトリオ・四千頭身の後藤拓実による初エッセイ!

色んな後藤を召し上がれ!


楽しかった中学時代、しんどかった高校時代、楽しくやりたかった草野球がちっとも楽しくなかった事、新幹線のイスを倒せない事、そして四千頭身の一員である事――。

後藤拓実の24年間の軌跡は、日常を楽しくする「笑い」の魔法に溢れている!


「小説現代」で連載されていた超人気エッセイが、作家・武田綾乃さん、俳優・ムロツヨシさんとの豪華対談も収録して待望の書籍化!

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