編集長ジミーがオススメ、4月の光文社文庫!

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 さて、今回も「ワルキューレ」の話題から。と言っても戦術音楽ユニット(第15回声優アワード歌唱賞おめでとうございます)の方ではありません。3月に新国立劇場で上演されたワーグナーの楽劇『ニーベルングの指環』第1日の方です。コロナ禍で予定されていた外国人歌手は来日できず、指揮者も交代、さらには管弦楽も縮小版でしたが、素晴らしい舞台でした。第3幕のヴォータンとブリュンヒルデは、これまでに観た中でも特に感動しました。あらためて、いまできること、を全力で行うことの尊さを感じます。

 さて、4月の光文社文庫、まずは『心寂し川』で第164回直木賞を受賞したばかりの西條奈加さんの『無暁の鈴』からおススメします。武家の庶子から僧となった無暁の生涯を描いたこの作品。度重なる挫折と裏切り。その中で心を通わせる存在。流浪変転の末に迎えるラストは、壮絶ながらその静謐さに圧倒されます。西條さんの最高傑作と言っても過言ではないと思います。光文社文庫の西條さんでは、それを読んで私が和歌山・串本の無量寺まで出かけずにはいられなくなった『ごんたくれ』もまたオススメの作品です。



 一昨年になりますが、弊社が長野県でキャンペーンをいたしまして、小説の舞台にしてほしい場所を募集した「ナガノベル企画」を行いました。その投票第1位だった国宝・松本城のある松本市を中心に、今回、長野県出身でもある新津きよみさんに『ただいまつもとの事件簿』を書下ろしていただきました。市内の名所や名店、郷土料理などが登場するミステリーです。「ただいまつもと」とはJリーグ・松本山雅サポーターの間で交わされる挨拶とのこと。ちなみにジミーも長野県出身。松本も幼い頃からよく知っていますが、なかなか田舎にも帰れない今、本の中で街歩きを楽しみたいものです。



 続いては天祢涼さんの『境内ではお静かに 七夕祭りの事件帖』を挙げましょう。横浜・元町にある源神社を舞台にした、日常の謎系の「ラブコメ&ミステリー」です。何といってもヒロインであり、探偵役でもあるちょっとクールな巫女、久遠雫があまりにも魅力的! もちろん、神社ならではの謎解きも大変興味深いものがあります。第1作の『境内ではお静かに 縁結び神社の事件帖』、さらに5月に単行本で刊行されます新刊『境内ではお静かに 神盗みの事件帖』も一緒にぜひ!



 最後はやっぱりアニメの話をしましょうか。『ガールズ&パンツァー最終章』第3話。繰り広げられるクオリティの高い戦車戦と、その音響の素晴らしさにはもう大満足。あとは第4話がいつになるのか……ということくらいでしょうか。とくに今回は最後に「あんこうチーム」が! 続きがあまりに気になりますが、楽しみに待ちたいと思います。その前にもう一度、第3話を観ようかな。

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