京大生本読みのオススメ「大学生ミステリー」10選
文字数 2,659文字
今、どんな作品を読んだらいいの?
そんな疑問にお答えするべく、大学生本読みたちが立ち上がった!
京都大学、慶應義塾大学、東京大学、早稲田大学の名門文芸サークルが、週替りで「今読むべき小説10選」を厳選してオススメします。
古今東西の定番から知られざる名作まで、きっと今読みたい本に出会えます。
単に大学生といっても大学、学年によって様々です。変わらないものがあるとすれば、彼らはいつの時代も自由で、愚かで、どうしようもないくらい面白い存在だということです。
(執筆:田原 瞬/京都大学推理小説研究会)
京都大学推理小説研究会(きょうとだいがくすいりしょうせつけんきゅうかい)/京都大学
綾辻行人氏や法月綸太郎氏もかつて在籍していた京都大学の文芸サークル。
担当者が課題本を決めそれについて発表・討論を行う「読書会」や、担当者が創作した短編ミステリー小説の謎解きを制限時間内に行う「犯人あて」等を主たる活動としている。また大学の文化祭では会員による創作・評論を掲載する同人誌「蒼鴉城」を発行している。
最近はSNSでも積極的に活動している。絶賛会員募集中!
工学の天才美少女、「青色サヴァン」こと玖渚友とその冴えない友人、「戯言遣い」いーちゃんは、「天才」の凶行を“証明終了(QED)”できるのか。
異色の作品が揃うメフィスト賞受賞作にして西尾維新先生のデビュー作。
彼は事件当日、屋敷にルージュと名乗る謎の女がいたと証言するが、その痕跡はすべて消え失せていた。
そして開かれたのが古より京都で行われてきた私的裁判、双龍会。
艶やかな衣装と滑らかな答弁が、論語の真の目的と彼女の正体を徐々に浮かび上がらせていく。
鮮やかな多重解決が光るラブロマンスミステリ。
その同窓会が孤島──和音島にて開かれる。
メンバーの一人の首なし死体が発見されたのは、雪が降り積もった夏の朝だった。
この密室殺人を契機に孤島を舞台にした惨劇が幕を開ける。
20年前に死んだはずの美少女、和音の影がすべてを支配する不思議な和音島。
なにもかもがミステリアスな孤島で起きた惨劇の真相とは?
信じていたすべてが覆されるアンチミステリの最高峰。
生まれついての聴き屋体質の大学生、柏木が4つの難事件に遭遇する。
芸術学部祭の最中に作動したスプリンクラーと黒焦げ死体の謎を軽快に描いた表題作、結末のない戯曲の謎の解明を演劇部の主演女優から柏木君が強要される「からくりツィスカの余命」など、日常の謎から殺人事件まで多様な謎をロジカルかつコミカルに解き明かす快作。
山が噴火し、偶然一緒になった三グループの学生たちは、陸の孤島と化したキャンプ場に閉じ込められてしまったのだ。
その極限状況の中、まるで月の魔力に誘われたように出没する殺人鬼。
ひとり、またひとりとキャンプ仲間が殺されていく。
17人もの学生が陸の孤島に閉じ込められる壮大な本格ミステリ。
そこには霊験あらたかな音楽の神が祀られているという。
しかし上陸し神社をお参りする彼らを待ち受けていたのは、なぜかカメムシの大群だった。
さらにカマキリ、スズメバチ、ムカデと彼らに次々と虫が襲い掛かる。
虫がなぜ人を襲うのか、そして、虫の怒りを鎮める音楽「鎮虫譜」の真実とは?
本格ミステリとパニックホラーが混じり合う至極のエンターテインメント。
最終学年を迎えた〈私〉は、卒論のテーマ「芥川龍之介」を掘り下げていくかたわら、出版社で初めてのアルバイトを経験する。
その縁あって、図らずも文壇の長老から芥川の謎めいた言葉を聞くことに。
王朝物の短編「六の宮の姫君」に寄せられた言辞を巡って、円紫師匠の教えを乞いつつ、浩瀚な書物を旅する〈私〉なりの探偵行が始まった。
著者自身の卒業論文を日常の謎にした驚きの一作。
それを受け、ハルウィンはジョーク企画として「4月1日に年収8000万で超能力者をひとり雇う」という告知を出す。
審査を経て、自称超能力者の7名が最終試験に残った。
ある目的のために参加したナンバー7の大学生・市倉真司は、ナンバー4の少女・日比野瑠衣と組み、奇妙な最終試験に挑む。
『いなくなれ、群青』『サクラダリセット』の河野裕先生が贈るコンゲーム・ミステリ。
雨宿りをする一人の少女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。
遠い国からはるばるおれたちの街にやって来た少女、マーヤ。
彼女と過ごす、謎に満ちた日常。
そして彼女が帰国したとき、おれたちの最大の謎解きが始まる。
覗き込んでくる目、カールがかった黒髪、白い首筋、『哲学的意味がありますか?』、そして紫陽花。
謎を解く鍵は記憶の中に。
忘れ難い余韻をもたらす、傑作青春ミステリ。
館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。
やがて学生たちを襲う連続殺人。
彼らはどうして殺人に巻き込まれてしまったのか。
新本格ミステリの始まりであり刊行以来、多くの読者に衝撃を与え続けた記念碑的名作。