バズり後藤

文字数 1,916文字

バズり後藤

 どうも後藤です。

 皆さんはバズるという言葉を知っていますでしょうか。

 僕は知ってます。SNSなどで発信したものが拡散され多くの人に見てもらえる。これがバズるです。バブリー時代が終わりようやくバズりー時代がやってきたのです。

 なんでそんなこと急に、どうしちまったんだよ後藤。そう思ってますよね。

 なぜ急にこんなこと言い始めたのかというとですね、この度後藤、バズりました。


 ありがとうございます。面白い画像や、動画などが載るとバズりやすいというのもあるのですが僕は文字のみでのバズりでした。

 どんな呟きか気になりますよね。

 大丈夫です、教えてあげます。こちらが後藤のバズり呟きです。どうぞ。


いまタクシーの運転手さんが


「ごめんなさい高速の道間違えました。よかったらのど飴どうぞ。」


まじでのど飴あってよかったな。

のど飴なかったら危なかったぞ。



 この呟きがですね、29,745人の方に拡散されて12,192,244人の目に止まったのです。そして239,074人の方がいいねって思ってくれたんです。すごい数字なんですこれは。

 でも多くの方がこう思ってると思います。

 この時期の寒暖差どうにかならないかなぁと。

 ごめんなさい関係なかったです。


 仕切り直して、多くの方がこう思ってると思います。

 なぜこんな呟きがそんなに拡散されるんだ?

 ですよね、それを強く思ってるのが私後藤です。どんどん拡散されるその呟きを見ながらなぜ? なぜこんなにバズるのん? そう思ってました。


 そこで考えたんです。その呟きがバズっている理由を。

 そして導き出しました。なぜバズったのか。


 まずこの呟き、なんといっても平和なんです。誰も傷つけてないというやつです。この呟きに「いや、のど飴すご。」「のど飴なかったらどうなってたの?」「昨日夢に後藤さん出てきました!」などいろんなコメントいただきました。興味を示す人がたくさん現れたんです。

 状況を想像しやすいんです。誰しもが一度は乗ったことあるタクシーで、たまにある道間違い。これが共感を与えてバズったのではないかとも思ってます。

 この呟きでフォロワーの方々も5万人ほど増えました。後藤の文字に興味を持ってくれたのです。

 平和、そして共感。この2つが僕の呟きをバズらせてくれたんではないかと思っています。その後の呟きも20万近くのいいねを記録しまして、バズり後藤というワードが生まれました。まぁ勝手に言ってるだけなのですが。


 しかししっかりバズったのはその2つの呟きだけで、最近バズり後藤できていないんです。

 いろいろ試しました。テレビなどの告知の文を面白文章で流してみたり、いまSNSで流行っている横読みだと普通の文なのに縦読みすると恋人の名前がでてくる、みたいな最近いう匂わせとやらも試しました。

 こういう時にたまにハッシュタグをつけてみたりするんです。ハッシュタグがバズってトレンド入りする可能性もあるので。その時つけたハッシュタグは「#匂わせテンプレート」でした。これは死ぬほどコケました。消したいけれども消したら消したでダサいみたいな必要のないプライドが邪魔をしています。

 今人気のギャルタレントの写真を載せてみたりしました。

 それもバズったんです。だがしかしそれはギャルタレントのおかげなので、バズり後藤ではありません。バズりギャルタレントです。


 つまり僕が言いたいことは平和や共感の呟きがバズるとかそういうんじゃないんです。

 ごめんなさい長くなって。ギャルの需要まだあるよって事です。いつになっても求められる。曾根だってずっとギャルなわけですし。

 ギャルのような需要だらけのジャンルに僕はなりたい。

 ギャルはずっとバズってる。


後藤拓実(ごとう・たくみ)

97年岩手県生まれ。16年、都築拓紀、石橋遼大とともにお笑いトリオ「四千頭身」を結成。おもにツッコミとネタ作りを担当している。

YouTubeに四千頭身公式チャンネル「YonTube」を開設し動画を配信中。

FM-FUJIにてレギュラー番組「四千ミルク」を放送中。

『これこそが後藤』(著:四千頭身・後藤拓実)


人気お笑いトリオ・四千頭身の後藤拓実による初エッセイ!

色んな後藤を召し上がれ!


楽しかった中学時代、しんどかった高校時代、楽しくやりたかった草野球がちっとも楽しくなかった事、新幹線のイスを倒せない事、そして四千頭身の一員である事――。

後藤拓実の24年間の軌跡は、日常を楽しくする「笑い」の魔法に溢れている!


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