『ゴリラ裁判の日』感想
文字数 1,256文字
Mephisto Readers Club会員の皆様からいただいた感想を紹介します!
『ゴリラ裁判の日』須藤古都離
なかなか読んだことのない斬新なお話で面白かったです。
ここまでゴリラに肉薄できた物語は初めてかもしれません。裁判という題でありながら、本編を彩るのは確かな筆致で表されるローズのゴリラとしての生き様。ジャングルでの描写がとにかく美しくて、ずっと頭の中が緑一色でした。ローズの苦境を打ち破らんとするリーガルミステリでありながら、ゴリラとヒトを隔てるのは何か──ひいては種のアイデンティティを形作るのは何かを問いかける文学であり、その骨太のメッセージ性に圧倒。ローズが次第に“らしく生きる”様も面白かったです。
タイトルのインパクトに惹かれて読み始めました。
コメディタッチな作品を予想していた分、如何なる時も私達が心に留めておかなくてはいけない重厚なテーマが隠されていた事に、より驚きを覚えました。
ローズの思慮深くありながらも凛とした姿に、読後感は清々しい気持ちになった作品です。
素敵なヒューマンドラマ。着想はどこから得たのでしょうか。
直前に読んだ『同志少女よ、敵を撃て』は「これを日本人が描いたのか」と絶句しましたが、『ゴリラ裁判の日』は「これをホモサピエンスが描いたのか」とよくわからん絶句をしてしました。おかしみが強くあるはずなのにギャグにならずにシリアスとことん一人称。ついでに翻訳調の文体も内容にぴったりで語り部との距離感が本当に絶妙。これはもうミステリというよりドラマだ。生き様という名のドラマ。なんか凄いもんを読まされたぞ。
世界観は猿の惑星をイメージさせてくれました。
また、多様性と言う視点も感じさせてくれました。
ミステリー要素は薄味な感じですが、キャラクターの個性が作品に際立っていて、読んで楽しかったです。
題名から読みたくなる本でした!期待を越えるないようでした!
とんでも設定にも関わらずものすごい説得力と没入感でした!
文章から沸き立つ臨場感で脳内に映像が流れ込んできました。
ローズを筆頭に魅力的な各キャラクター達とのやりとりにしんみりさせられたり思わずニヤリとさせられたり非常に素晴らしかったです。
本当に素敵な一冊を先行で読ませていただきありがとうございました!
3月の発売も楽しみにしております!
まず、このタイトルを見たとき、ゴリラのことで裁判をする話かと思いきや、ゴリラ自身の裁判とは驚きました。
私の範疇を超える斬新さや突飛さに最初の方はなかなかページが進まなかったのが正直なところです。
が、読み進めていくうち、いつの間にかペースが上がってました。夢中になってたんです。
ゴリラと(他の動物でも)意志疎通できる世界。想像するだけでワクワクしてきました!
そして、クライマックスの裁判!!
弁護士ダニエルがカッコ良すぎ(笑)
ラストも納得いくものでした。
作者の須藤古都離さん、こんな話を紡げるなんて天才です!ファンになりました!
これから出される本も期待しています。
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