「小説現代」6・7月合併号 編集部が押しポイントを語る!

文字数 1,879文字

COVID-19の影響で6月号が休刊となり、異例の6・7月合併号での刊行となった「小説現代」が6月22日(月)発売されます。


世間の不安な空気を吹き飛ばすようなエネルギーがたっぷりこもった今号、その目玉企画を編集部にききました!

目玉その①

窪美澄『私は女になりたい』


窪美澄さんから原稿スタート前にタイトルを出していただいた時に、「これはすばらしい!」と涙目になりました。名は体を表す、ではないですが、この意味深なタイトルにエッセンスのすべてが詰まっていると思います。


主人公の奈美は、アラフィフの美容整形外科医。カメラマンの元夫とは離婚し、シングルマザーとして息子を育てながら仕事一筋で生きてきたけれど、事故のように、十四歳年下の男性患者と恋に落ちます。実は、奈美はクリニックの雇われ院長に過ぎず、佐藤という謎のパトロンがいるのです。パトロンやクリニックのスタッフ、息子の手前、秘めた恋のはずでしたが……。


作中、たいへんハードなシーンもあり、名手である窪さんの腕が存分に冴え渡った傑作恋愛小説となりました。また、物語の横糸として、女性が自分らしく生きるとはどういうことか、というテーマが織り込まれています。妻でもなく、母でもなく、娘でもなく、私はただの女になりたいーーこの思いは、女性なら誰しもが持っているのではないでしょうか。ぜひぜひご一読ください。そして感想をお寄せいただけますと嬉しいです。ちなみに本作品ですが、原稿をお願いしてから掲載まで7年かかりました。

目玉その②

中真大『無駄花』


「無駄花」第14回小説現代長編新人賞 奨励賞受賞の本作は、ある殺人放火事件で収容されている死刑囚による回想の手記という体裁をとっています。


重苦しいはずの内容も、関西弁を駆使したリズミカルでユーモアあふれる文章が読者の興味を掻き立て、ずるりずるりと闇の底へといざないます。


この鬼才、これまでどこに隠れていたんだ!と思わず叫ばざるを得ない圧倒的な筆力。

同時掲載の対談によると、そのルーツは、地元を愛し、地元で表現を追求し続けるヒップホップにあるようです。


冒頭試し読みとして、新鋭・椙崎アキラさんの迫力あるコミカライズも掲載しました。

応募時から編集部一同を震撼させた若干29歳の鬼才に、思う存分酔い痺れて下さい。

目玉その③

松居大悟×又吉直樹『またね家族』刊行記念対談

松居大悟初短編小説「お父さま」


発売即重版が決まった、人気映画監督・松居大悟さんの小説デビュー作『またね家族』。


著者が小説を書き上げた時、「真っ先に読んでほしかった人」と断言する又吉直樹さんとの対談が、この度「小説現代」誌上で実現しました。「めちゃくちゃ面白い」と絶賛してくださった又吉さんが読み解く『またね家族』の魅力とは? 「家族」をテーマに物語を描くことへの思いや、意外な共通点が語られます。お二人の痛くて切ない恋愛エピソードも必読です!


対談につづいては、『またね家族』からのスピンオフ短編「お父さま」も収録。主人公の武志が子どもの頃に呼んでいた<父・母・兄>へのちょっと変わった呼称とは? 心がチクっとする家族の物語です。ぜひお楽しみください!

「小説現代」編集長より


小説は、コロナ禍にあって「不急」なものかもしれないが、絶対に私たちの人生に「必要」なものであるーー。


ひと月の休刊でできた時間は、ひたすら考え続けていました。価値観がドラスティックに変わっていくなか、これまでと変わらぬ小説を作り続けていくのか、それとも、新たな流れを見据えた作品を世に送り出すべきか。その答えは、どちらもやっていく。考えることをやめずに、雑誌を通して、あらゆる可能性を模索していく。


長編一挙掲載から中編、短編、掌編まで様々なかたちの読み切りに加え、ウィズコロナ時代に向けた作家たちのメッセージ集&短編特集「この災厄に思うこと」と盛りだくさん。合併号となった今号ですが、その分、2倍の豊かさ、面白さでお届けします!


(編集長・S)

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6・7月号は合併号のため読み切り小説11本、そのほかエッセイ、読み物記事など、600ページ近い読み応え十分のボリュームです。ぜひ、ご利用ください。

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