【特別収録】水木さん直筆の『総員玉砕せよ!』構想ノート
文字数 1,403文字
国同士の戦いで全世界に激震が走る中、「戦争とは何か」を深く考えられる一冊をご紹介します。それは水木しげるさんの戦記漫画『総員玉砕せよ!』。
その構想ノートが没後に発見されました。水木さんのご長女・原口尚子さんが「父は一つの作品で一冊のノートを作ったことがない」(2021年10月4日付東京新聞)と語られるほどの貴重な資料です。
最新刊『総員玉砕せよ! 新装完全版』では20ページにわたりノートを収録。その一部をtreeでもご紹介いたします。
(※各写真にウォータマーク加工を施しています)
聖ジョージ岬
緻密な構成表の上部に、戦死した親友の名前が書き留められていた。ノートの発見により眞山氏への強い想いが明らかに。
人物紹介ーー始めに見開き
この構想ノートの発見は、水木氏が自らの体験に基づいた長編作品に寄せる思いがいかに深かったか、改めて私たちに知らせてくれる。
ーーノンフィクション作家・足立倫行さん「〈総員玉砕せよ!〉新解説 発見された構想ノートを読んで」より
構想ノート写真を数多く収録!!
水木しげる『総員玉砕せよ! 新装完全版』
【新装完全版の見どころ】
①未公開の構想ノートを20ページにわたり特別収録
②水木しげるさんの漫画に込められた決意が読める
③カバーイラスト・デザインを一新
④旧版になかったイラスト付き登場人物表を追加
⑤水木さんと親交が深かったノンフィクション作家・足立倫行さんの新解説
【あらすじ】
太平洋戦争末期の南方戦線ニューブリテン島バイエン。
米軍の猛攻で圧倒的劣勢の中、日本軍将校は玉砕を決断する。兵士500人の運命は?
著者自らの実体験を元に戦争の恐ろしさ、無意味さ、悲惨さを描いた傑作戦記漫画。
没後に発見された構想ノートを特別収録。
作品に込められた魂の決意が心に響く新装完全版!
【著者略歴】
1922年生まれ。鳥取県境港市で育つ。太平洋戦争時、激戦地であるラバウルに出征。爆撃を受け左腕を失う。
復員後紙芝居作家となり、その後、漫画家に転向。
1965年、別冊少年マガジンに発表した『テレビくん』で第6回講談社児童まんが賞を受賞。
代表作に『ゲゲゲの鬼太郎』『河童の三平』『悪魔くん』などがある。
1989年『コミック昭和史』で第13回講談社漫画賞を受賞。1991年紫綬褒章、2003年旭日小綬章を受章。同年、境港市に水木しげる記念館が開館。
2007年、仏版「のんのんばあとオレ」が仏アングレーム国際漫画祭最優秀賞を受賞。2009年、仏版「総員玉砕せよ!」が同漫画祭遺産賞を受賞。2012年、「総員玉砕せよ!」がウィル・アイズナー賞最優秀アジア作品賞を受賞。
2010年、文化功労者顕彰。2015年11月、逝去。