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森博嗣様
初めまして、五十嵐律人と申します。
第62回メフィスト賞を受賞して作家の卵になった傍ら、司法修習というカリキュラムを受講中の法律家の卵でもあります。
この度は、拙著『法廷遊戯』をお目通しいただき誠にありがとうございます。
本作をメフィスト賞に投稿した際、応募要項に「人生で最も影響を受けた小説」という項目があり、小説を書く動機付けを得たという直列的な理由で、「すべてがFになる:森博嗣著」と記載しました。
受賞が決まった後の打ち合わせにおいてもアピールし続けた結果、このようなやり取りの場を設けていただくに至ったと推測しております。
先生の作品を拝読していると、「才能」を書くことの難しさを痛感します。現実世界の天才は実績で認められますが、物語の中の天才は会話や思考の流れで描写しないと読者が納得しないと思うからです(「彼女は天才だ」と一行書いて済むなら楽なのですが……)。
「すべてがFになる」では、萌絵も犀川も四季も紛うことなき天才で、さらに、才能の濃淡まで描写されていて……、その衝撃が小説を書こうという原動力になりました。
このままだとファンレターになってしまいますので、俗な質問で恐縮ですが、作家としての才能との向き合い方について考えをお訊かせいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
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