―この作品では、過去に縛られ不器用に生きている人々が、堀尾葉介(ほりおようすけ)というスターとすれ違うことでその人生に変化が訪れるエピソードが重なっていきますね。読者は、作中の人物たちとともに胸の中でほどけなくなっていた何かがほぐされていくのに気づく。一方、徐々に葉介自身も過去に縛られていることが見えてくる。静かに積み重なっていくようであったそれぞれのエピソードがじつは葉介の人生を動かしていき、感動的なクライマックスを迎える。そこに辿り着くと、葉介と長い旅をしてきたような気持になり、未経験の感動を与えてくれる。素晴らしい作品です。また、遠田さんの作品の中でも今までにない新たな試みをなさっていらっしゃいますね。

作品タイトル:【新刊インタビュー】

記事名:『雨の中の涙のように』刊行記念 遠田潤子 インタビュー

作者名:小説宝石  hosekikobunsha

|その他|連載中|6話|33,689文字

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