『小さき王たち 第一部:濁流』堂場瞬一/著(早川書房)

現代日本の政治と報道をめぐる三部作。
一九七一年、新潟。政治家と新聞記者が日本を変えられた時代――。
高度経済成長下、日本の都市政策に転換期が訪れていた1971年12月。衆議院選挙目前に、新潟支局赴任中の若き新聞記者・高樹治郎は、幼馴染みの田岡総司と再会する。田岡は新潟選出の与党政調会長を父に持ち、今はその秘書として地元の選挙応援に来ていた。彼らはそれぞれの仕事で上を目指そうと誓い合う。だが、選挙に勝つために清濁併せ呑む覚悟の田岡と、不正を許さずスクープを狙う高樹、友人だった二人の道は大きく分かれようとしていた……大河政治マスコミ小説三部作開幕!

7月20日には『小さき王たち 第二部:泥流』が発売予定!

幾多のベストセラーを生み出してきた作家・堂場瞬一。その手になる昭和を描いた大河シリーズが、早川書房、講談社から相次いで発売された。
書棚に置かれ、書籍の惹句などが手書きされた小さな紙片、通称「書店POP」。その一枚の紙きれが、時に全国的なベストセラーを生み出すこともある。

しかし、今回は早川書房の担当編集が講談社文庫の本のPOPを、講談社の担当編集が、早川書房の本のPOPを作成するのだ。そのうえ、POP界の巨匠にその優劣を決して頂き、著者の堂場氏にもご照覧頂くというのである。

敵に塩を送る、禁断ともいえるこの企画。まさに両社の威信を賭けた戦いでは全然ない。だが、ここから出版界のボーダーレス化が始まると言ったら過言であろうか。そう、過言である。