遠藤彩見(えんどう・さえみ)

東京生まれ。1996年、脚本家デビュー。1999年、テレビドラマ「入道雲は白 夏の空は青」で第16回ATP賞ドラマ部門最優秀賞を受賞。2013年、『給食のおにいさん』で小説家としてデビュー。同作はシリーズ化されている。他著に、『キッチン・ブルー』『イメコン』『バー極楽』など。

おいしさは恋で栄養は愛?
二人は夫婦として、好きを越えた関係を築いていくことができるのか――。

毎日一緒に食卓を囲み、お互いの気持ちや体調を察するのが夫婦のあるべき姿だと考える、妻の泉。夫である旺介の健康を考え、朝晩の食事を作り、律していくことで、夫婦としての生活を形作っていこうと試行錯誤する。一方旺介は、泉の努力に感謝しつつも、泉が整える夫婦の「形」に馴染めずにいる。それぞれの方法で歩み寄ろうとする二人だったが、徐々に気持ちは離れていき――。

「料理は愛で、祈りで、だからこそ簡単に、支配にも呪いにもなる。
"変わらないために、変えなければならない"。作中に登場するこの言葉に、はっとさせられ、
泉にも旺介にも幸せになってほしい……と、友人のように願ってしまいました。
互いを特別に思いやる者同士が一緒に生きていこうとするからこそ結婚も家族も、難しい。
そんな困難の根底にあるものの正体を、痛いほど突きつけられました。
周りの友人たちもすすめたい作品です!」
――エッセイスト 紫原明子さん

「不穏な空気が漂うばかりの冒頭に私の鼓動は一気に速まり、
最後まで美味しいデザートの登場を待ち望むように、希望が捨てきれませんでした。
最後には粛々と、泉と晩酌を傾けたくなりました」
――モデル・コラムニスト クリス-ウェブ佳子さん

『二人がいた食卓』発売記念特設ページ、お楽しみください!