結果発表:内田剛(ブックジャーナリスト・POP王)


POPを評価するポイントは技巧的な上手さよりも作品に対する愛情の深さで判断するのだが、まったく甲乙がつけ難く極めてハイレベルな闘いであった。


講談社・森山さんのPOPは見せる系秀逸なイラストと「仁義なき戦い」のキャッチフレーズがズバリと突き刺さる。


一方で早川書房・小塚さんのPOPは読ませる系。作中のセリフもズバッと効いており読みどころを畳みかけている。


いずれのPOPも物語の良さを的確に表していて見本のような出来栄えだ。


勝敗の行方は……


熟考を重ねた結果、両者相譲らず引き分けに決定!どちらから読んでも間違いなし!


内田剛(うちだ・たけし)

アルパカにしてブックジャーナリスト。POPを描き続け、POP王の称号を得る。近年は、好きな小説の布教に身を捧げている。堂場作品のファンで、著者が認める「堂場ファミリー」の一員。

Twitter:@office_alpaka

幾多のベストセラーを生み出してきた作家・堂場瞬一。その手になる昭和を描いた大河シリーズが、早川書房、講談社から相次いで発売された。
書棚に置かれ、書籍の惹句などが手書きされた小さな紙片、通称「書店POP」。その一枚の紙きれが、時に全国的なベストセラーを生み出すこともある。

しかし、今回は早川書房の担当編集が講談社文庫の本のPOPを、講談社の担当編集が、早川書房の本のPOPを作成するのだ。そのうえ、POP界の巨匠にその優劣を決して頂き、著者の堂場氏にもご照覧頂くというのである。

敵に塩を送る、禁断ともいえるこの企画。まさに両社の威信を賭けた戦いでは全然ない。だが、ここから出版界のボーダーレス化が始まると言ったら過言であろうか。そう、過言である。