POP作成後記

推したい要素が多すぎて本当はもっと戯曲が挿入される構成の妙や、検閲官の仕事のと面白さと苦悩、娯楽の大切さや、幼馴染み警官二人のズッ友ぶりやこの先の展開、戦争の落とした影の深さなども入れたかったのですが、絵心も美しい字もまとめ能力もなく、無念のうちにイラレで逃げを打ちました。

(早川書房・小塚麻衣子)

幾多のベストセラーを生み出してきた作家・堂場瞬一。その手になる昭和を描いた大河シリーズが、早川書房、講談社から相次いで発売された。
書棚に置かれ、書籍の惹句などが手書きされた小さな紙片、通称「書店POP」。その一枚の紙きれが、時に全国的なベストセラーを生み出すこともある。

しかし、今回は早川書房の担当編集が講談社文庫の本のPOPを、講談社の担当編集が、早川書房の本のPOPを作成するのだ。そのうえ、POP界の巨匠にその優劣を決して頂き、著者の堂場氏にもご照覧頂くというのである。

敵に塩を送る、禁断ともいえるこの企画。まさに両社の威信を賭けた戦いでは全然ない。だが、ここから出版界のボーダーレス化が始まると言ったら過言であろうか。そう、過言である。