「葉介シリーズ」と勝手に呼んではいましたが、雑誌掲載時では普通の短編という扱いでした。ですから、続き物ではなくそれぞれ独立した短編として成立させる必要がありました。その上で、本になったときに全部を通して読めば、この物語の真の目的がわかるという風にしたかったんです。


 心がけたのは、仕掛けがあると読者に気付かれないこと。主人公はあくまで各章の視点人物の男たちで、堀尾葉介は単なるモチーフに見えるようにしたいと思いました。「堀尾葉介に出会って人生が動いた」男たちの話だと思って読んでいた方々を、最終章で驚かせたかったんです。すべてを読み終えたとき、「ああ、こんな話だったのか」と感じていただけたなら、この物語は成功だと思っています。


 心残りは最後まで編集さんを騙し通せなかったこと。本当は、なにも言わずに物語を進めた上で、最終章の原稿を渡してびっくりさせたかったんですが、無理でした。

作品タイトル:【新刊インタビュー】

記事名:『雨の中の涙のように』刊行記念 遠田潤子 インタビュー

作者名:小説宝石  hosekikobunsha

|その他|連載中|1話|5,616文字

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