森博嗣 様


かくいう「法廷遊戯」も、復讐や正義の在り方をテーマにした物語です。

「復讐」という自力救済を禁止するのは司法が担う役割とされていますが、禁ずるのみで代替執行機関として機能しているわけではないので、その狭間を埋めるための「正義」がフィクションに求められているのかもしれません。両者(司法とフィクション)に携われる立場にいるからこそ提示できる解決策があるのだとすれば、大きなテーマとして今後も考え続けていこうと思います。


――所定の通数に達してしまったので、お礼の言葉を述べさせてください。


この度は、往復書簡の企画を引き受けてくださり、ありがとうございました。

先生の作品に対する想いや憧れ、作家として歩んでいくことへの不安、テーマや才能との向き合い方等、デビューが決まる前の想いから現在進行形で抱いている感情に至るまで、さまざまな事柄を整理することができました。


メフィスト賞が標榜する「面白ければ何でもあり」は、先生を始めとする初期の受賞作家の方々が作り出された流れを、その後の受賞作が受け継ぐことで確立した系譜だと思っています。「面白さ」が主観的な指標である以上、方向性を見失ったり、スランプに陥ったときは、良い意味で開き直って、自分が信じる面白い作品を自由に書いてみます。


こういった形でのやり取りを実現させるには、本来であればもっともっと実績を積み重ねる必要があったはずです。かなりのショートカットを経たこともあって、尋常じゃないほど緊張しながらの約1週間でしたが、スタートラインに立つ新人作家として得るものが多くありましたし、刺激的で楽しいひと時を過ごせました。


自由に、楽しみながら……。

デビューに向けて、今できることを積み重ねていきたいと思います。


本当に、ありがとうございました。


作品タイトル:【インタビュー・対談】

記事名:森 博嗣 × 五十嵐律人  往復書簡

作者名:メフィスト  mephisto

|その他|連載中|7話|38,361文字

メフィスト賞 , 真下みこと

インタビュー