『二人がいた食卓』を再現! —泉のレシピ大公開― 第4回
文字数 1,861文字
『二人がいた食卓』には、美味しそうな料理の描写が盛りだくさん!
旺介との関係に揺れながら、泉がその時々で腕を振るった料理をいくつかピックアップし、「食の検定」1級を持つ著者の遠藤彩見さんと、料理デザイナー・清野美智さんにレシピを監修していただきました!
サッと作れる簡単レシピから、ここぞという時に挑戦したいレシピまで、計5品を順次掲載いたします。
作品とあわせて、ぜひお楽しみください!
【写真】水野昭子
遠藤彩見(えんどう・さえみ)
東京生まれ。1996年、脚本家デビュー。1999年、テレビドラマ「入道雲は白 夏の空は青」で第16回ATP賞ドラマ部門最優秀賞を受賞。2013年、『給食のおにいさん』で小説家としてデビュー。同作はシリーズ化されている。他著に、『キッチン・ブルー』『イメコン』『バー極楽』など。
・公式サイト
清野美智(きよの・みち)
チリアロハ食堂という屋号で、レシピ開発やイベントケイタリング、お店での出張料理をしている。屋号は大好きな唐辛子(チリ)と第二の故郷ハワイ(アロハ)から。スイカ、桃などのフルーツ料理や、スパイス&ハーブをたくさん使った料理が得意。
・ブログ
→https://chilealoha.hatenablog.jp/
・クックパッド「チリアロハ食堂」のページ→https://cookpad.com/kitchen/40706653
決定的な出来事から旺介との離婚を決意した泉。旺介の心からの「美味しい」を聞きたくて、私が作った料理が大好きだったでしょう、ということを旺介の記憶に刻みたくて、持てる技術と知識を総動員し、念入りに準備した渾身の一品。
〔生地〕
材料
・薄力粉…75g
・強力粉…75g
・無塩バター…75g
・卵黄…1個
・水…大3
・塩…ひとつまみ
作り方
① バターは細かく角切りにして冷やしておく。
② 薄力粉、強力粉、塩ひとつまみと①をフードプロセッサに入れて、スタート、ストップを何度か繰り返してさらさらの状態にする。
③ 卵黄と水を入れて再度スタート、ストップを何度か繰り返し、生地がまとまってきたら台の上に出す(あまり混ぜすぎないこと)
④ 手で平たく円状にまとめ、ジッパー付きの袋に入れて冷蔵庫で3時間以上冷やす。
⑥ 袋の下と右を切って開き、型の上に生地を乗せてそのまま型に敷きこむ。
⑦ 周りは型より少し高めにして、余った生地ははさみで切り取る。
⑧ ラップをし、冷蔵庫で1時間以上寝かせる。
⑨ 型にクッキングシートを敷いて重しを入れ、180℃のオーブンで30分焼く。
※クッキングシートを外してみて焼き色がついていなければ、シートと重しを取ってさらに5分焼く。
〔フィリング〕
材料
・平茸…1パック
・玉ねぎとズッキーニ…合わせて100g~120gくらい
・サンドライドトマト…2枚
・サーモン(刺身用)…120g
・グリュイエールチーズ…60g
・生クリーム…60cc
・牛乳…60cc
・バター…10g
・卵…2個分
・ディル…適量
・ピンクペッパー…適量
・塩、胡椒…少々
作り方
① 平茸は固い部分を切って、大きいものは手で割いておく。
② 玉ねぎは薄めの櫛切り、ズッキーニは小さめに刻む。
③ サンドライドトマトは細かく切る。
④ 刺身用サーモンとグリュイエールチーズは角切りにしておく。
⑤ 平茸はバター5gで水分を飛ばすように炒めて塩(あればトリュフ塩)を少々ふる。
⑥ 玉ねぎとズッキーニをバターで炒め、塩を少々ふる。
⑦ ディルは2束くらいの葉の部分を細かく切る。
⑧ ⑤と⑥が冷めたら③、④、⑦と合わせておく。
⑨ 生クリーム、牛乳、溶いた卵を混ぜてざるで濾す。
⑩ 焼きあがった生地に⑧を彩りよく詰めて、⑨を流しいれる。
⑪ 180度のオーブンで50分焼く。途中焦げそうであればアルミホイルをかぶせる。焼き上がりに串をさしてみて卵液がついてこなければ焼き上がり。
⑫ よく冷ましてから切り分ける。
レシピ監修・清野美智さんから一言!
食べる前にオーブントースターで温めて上にディルとピンクペッパーを飾ればよりおいしくいただけます。