<近畿>よむーくとめぐる本の旅フェア 地方別本の詳細情報

文字数 1,945文字

忍びが牙を抜かれた文政の世に、伊賀の山中に、わらべの頃から人体兵器として養成する裏伊賀の集団があった。十五の若者・鬼市は、決死の思いで抜け忍となり江戸に出る。執拗な追っ手に追われ、鬼市は隠密廻り同心・城田新兵衛に出会い、その腕を見込まれ、同心屋敷にかくまわれた。はじめて人の優しさに触れた鬼市。義賊として生きようとしていた裏伊賀の若者が、江戸の闇を守る。活劇と人情の忍び物語。

うる波は、事故死した夫「鹿野くん」の幽霊と一緒に暮らしている。彼の存在は秘密にしていたが、大学の後輩で恋人どうしの佐々と千花に知られてしまう。うる波が事実を打ち明けて程なく佐々は不審な死を遂げる。遺された千花が秘匿するある事情とは? 機械の親友を持つ少年、小さな子どもを一途に愛する青年など、密やかな愛情がこぼれ落ちる瞬間をとらえた四編の救済の物語。
憧れの耕書出版に就職した高屋誠は、中高校生向け占い雑誌に配属される。編集部は大阪支社で、住まいも未定。占い嫌いの高屋は、船岡山珈琲店にいる正体不明の占い師への取材中にぶち切れ、星読みと大喧嘩。和解の流れでなぜか店の二階に住むことになり、不本意ながら星の世界に触れ、その奥深さを知っていく。

高校一年生の水無月六花は、最愛の父が死の間際に残したひと言によって生きる理由を見失う。だが16歳の誕生日、本家当主と名乗る青年が現れ、“許嫁”の六花を迎えに来たと告げた。「僕はこんな血の因縁でがんじがらめの婚姻であっても、恋はできると思っています」。彼の言葉に六花はかすかな希望を見出すーー。天女の末裔・水無月家。特殊な一族の宿命を背負い、二人は本当の恋を始める。

あのとき、ふたりが世界のすべてになった――。
ピアノの音に誘われて始まった女どうしの交流を描く表題作「愛の夢とか」。別れた恋人との約束の植物園に向かう「日曜日はどこへ」他、なにげない日常の中でささやかな光を放つ瞬間を美しい言葉で綴る。谷崎潤一郎賞受賞作。
★「アイスクリーム熱」、映画化! 映画「アイスクリームフィーバー」2023年7月14日公開

小学校教師の竹内しのぶ。担当児童の父親が殺された。家庭内暴力に悩んでいた児童と母親に嫌疑がかかるが、鉄壁のアリバイが成立。しかし疑念を覚えたしのぶは調査を開始。子供の作文から事件解決の鍵が、たこ焼きにあることに気づく。教え子たちを引き連れて探偵ごっこを繰り広げる痛快シリーズ、第一弾。
運動神経ゼロの雨宮大地は高校卒業後、野球の聖地・甲子園で働くことに。グラウンド整備を請け負う職人集団「阪神園芸」の新人として憧れの地を踏むも、仕事は失敗続き。落ち込む大地だったが、夢に向かってもがく同世代の仲間たちと出会い、自分の弱さと向き合うことを決意し――。涙の青春×お仕事小説!

「おまえは嫌われてる」。神戸新報県警担当記者・秋葉隼介は、たった一言で文化部に左遷され、将棋担当を命じられる。そんな秋葉の家に、突然転がり込んだのは、やけ酒の席で大喧嘩をした同い年の不遜な男・真田信繁だった。背水の陣でプロ棋士を志す男が巻き起こす熱い感動の物語。小説現代長編新人賞受賞作

29歳、工場勤務のナガセは、食い扶持のために、「時間を金で売る」虚しさをやり過ごす日々。ある日、自分の年収と世界一周旅行の費用が同じ163万円で、1年分の勤務時間を「世界一周という行為にも換金できる」と気付くが――。ユーモラスで抑制された文章が胸に迫り、働くことを肯定したくなる芥川賞受賞作。
乱歩の未発表作品が発見された!?「白骨記」というタイトルで雑誌に掲載されるや大反響を呼ぶ――南紀・白浜で女装の学生が首吊り自殺を遂げる。男は、毎夜月を見て泣いていたという。乱歩と詩人萩原朔太郎が事件の謎に挑む本格推理。実は、この作品には二重三重のカラクリが隠されていた。奇想の歌野ワールド!
累計1億部に迫る国民的ミステリー!浅見光彦シリーズ最後の謎。世界遺産・熊野古道の名所、牛馬童子の頭部が斬り落とされ、行方不明になる事件が発生。ほどなく、不動産会社社長・鈴木義弘が大阪天満で殺害される。療養中の軽井沢のセンセに熊野への代参を頼まれた浅見光彦は、大毎新聞の記者・鳥羽と共に、信仰の道が繋ぐ壮大な謎を追う。著者の遺志宿るシリーズ最後の傑作!

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