今こそ、戦争を考える―漫画家が読んだ『総員玉砕せよ!』/みづき水脈
文字数 1,081文字

太平洋戦争終戦から77年が経った今年、水木しげるさんの実体験をもとにした戦記漫画『総員玉砕せよ!』が、昨年奇跡的に発見された「構想ノート」を収録した<新装完全版>として刊行されました。
「水木しげるさんは、驚くほど絵がうまいですね。人物をさらっと描いているけれど、バランスが抜群にいい。画力がある方にしかできません。また植物は描くのがとても難しいのですが、緻密に描かれた背景の木々や植物が素晴らしい。ものすごいリアリティーがあります。」と、感嘆した漫画家・みづき水脈さん。
そのみづき水脈さんの『総員玉砕せよ! 新装完全版』レビュー漫画です!


【あらすじ】
太平洋戦争末期の南方戦線ニューブリテン島バイエン。
米軍の猛攻で圧倒的劣勢の中、日本軍将校は玉砕を決断する。兵士500人の運命は?
著者自らの実体験を元に戦争の恐ろしさ、無意味さ、悲惨さを描いた傑作戦記漫画。
没後に発見された構想ノートを特別収録。
作品に込められた魂の決意が心に響く新装完全版!
水木しげる
1922年生まれ。鳥取県境港市で育つ。太平洋戦争時、激戦地であるラバウルに出征。爆撃を受け左腕を失う。
復員後紙芝居作家となり、その後、漫画家に転向。
1965年、別冊少年マガジンに発表した『テレビくん』で第6回講談社児童まんが賞を受賞。
代表作に『ゲゲゲの鬼太郎』『河童の三平』『悪魔くん』などがある。
1989年『コミック昭和史』で第13回講談社漫画賞を受賞。1991年紫綬褒章、2003年旭日小綬章を受章。同年、境港市に水木しげる記念館が開館。
2007年、仏版「のんのんばあとオレ」が仏アングレーム国際漫画祭最優秀賞を受賞。2009年、仏版「総員玉砕せよ!」が同漫画祭遺産賞を受賞。2012年、「総員玉砕せよ!」がウィル・アイズナー賞最優秀アジア作品賞を受賞。
2010年、文化功労者顕彰。2015年11月、逝去。