編集長ジミーがオススメ、12月の光文社文庫!

文字数 1,218文字

「すべてのカッコいいの原点」ジャン=ポール・ベルモンド傑作選。ジミーも東京・新宿武蔵野館で全8本観てきました。本当に何もかもカッコいい! 第2弾も決定したとのことで嬉しい限りです。コロナ禍に揺れた今年の映画界、『劇場版鬼滅の刃』みたいなメガヒットもありますが、こうした企画もヒットするのは素晴らしいことですね。
 ベルモンドは、コメディからノワールまで何をやってもカッコいいのですが、日本でノワール小説の書き手といえば馳星周さんですね。今月はまず馳さんの『蒼き山嶺』をオススメしましょう。出発点のノワールから作風を広げ、今年、『少年と犬』で直木賞を受賞された馳さんですが、本作は山岳冒険小説。実際に登山もされる馳さんが、雪の北アルプスの過酷な環境の中を逃走する、因縁ある三人の男女の極限のドラマをリアルに描きます。山岳冒険小説といえば、トレヴェニアン『アイガー・サンクション』、ボブ・ラングレー『北壁の死闘』といった作品を思い出しますが、それらに連なる力作です!



 さて、今年の第8回「京都本大賞」を受賞したのは本文庫刊の『二十年目の桜疏水』ですが、その著者、大石直紀さんの最新作『京都一乗寺 美しい書店のある街で』を次にオススメします。こちらも京都を舞台にしたミステリ短編集ですが、その主な舞台が左京区一乗寺。実在する、「世界でいちばん美しい十の書店」の一つに選ばれたこともある恵文社が物語のどこかで関わっています。京都の知られざる名所の風景とともに、一編、一編、凝った物語を味わってください。ぜひ『二十年目の桜疏水』と一緒にどうぞ。



 続いては、今年作家生活10周年を迎えられました、「どんでん返しの帝王」中山七里さんの『能面検事』を。どんな圧力にも屈せずに微塵も表情を変えず、「能面検事」と呼ばれる大阪地検の不破。彼が担当したストーカー事件を端緒に、次第にその裏にある大きなスキャンダルが暴かれていきます。もちろん意外性も十分。ドラマ化作品も多い中山さんですが、本書もドラマにしたら主人公は誰が演じるのだろう?と思わずにはいられません。



 中山さんはデビュー作以来、クラシック音楽を背景にした作品も多く書かれていますが、今年はベートーヴェンの生誕250周年でもありました。音楽の世界も今年は大変な状況でしたが、気になるのは、年末の風物詩でもある「第九」ですね。そういえば道尾秀介さんの『満月の泥枕』(本文庫刊)の中でも「年末の第九」事情について触れられていました。予定されている第九コンサートもありますが、ぜひ来年を明るくするような演奏を期待しています!

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